Antigravity 2.0.0 の公開から数日、手元の環境を整え直しながら、今週は「エージェントにどこまで任せるか」という問いを考え続けていました。6月18日には Gemini CLI の提供終了も控えていて、道具立ての変化はまだしばらく続きそうです。こういう時期こそ、新機能の一覧を追いかけるより、任せ方の原則を自分の言葉で持っておきたいと感じます。今週の Antigravity Lab から、その手がかりになる5本を選びました。
出発点は「任せる単位」を決めること
Antigravity エージェントへの依頼は「レビューできる単位」で切る — 手戻りを減らすタスク設計
複数の判断を含む大きな依頼ほど壊れやすい、という観察から出発し、「自分が15分でレビューできる量」を1タスクの上限にする基準を示した記事です。CSV エクスポートの依頼を3通に分け直す実例が付いているので、抽象論で終わっていません。受け入れ条件を「終わった状態」で3行書くという習慣は、エージェント相手に限らず、人に仕事を頼むときにも通じる技術ではないでしょうか。エージェント運用の記事を今週1本だけ読むなら、私はこれを推します。
任せる範囲を広げる — 更新作業と実行基盤の2本
依存ライブラリの更新を Antigravity エージェントに任せる運用設計 — リスク階層・検証・巻き戻し
依存更新という「任せやすいのに、全部は任せられない」領域を、リスク4階層・ロット分割・巻き戻しまで含めて設計した一本です。semver を信頼しすぎないという前提の置き方が実務的で、AGENTS.md に書くプレイブックの実物が載っているのも参考になります。ビルドが通っただけでは検証の半分、という線引きは、私自身の運用にそのまま取り入れました。
Managed Agents API を動かして考えた、クラウド実行と手元実行の境界線
こちらは「どこで実行させるか」の話です。Managed Agents API を実際に動かし、エージェント実行を「リクエスト」ではなく「ジョブ」と捉え直すところから、クラウドと手元の境界線を整理しています。ポーリング間隔・タイムアウト・冪等性といった待ち方の設計と、コストを予算で縛ってから定期実行に載せる順序は、定期タスクを増やす前に押さえておきたい要点です。
任せた結果を確かめる — 10年前の課金コードの移行記録
10年前の SKPaymentQueue を StoreKit 2 へ — 壁紙アプリ4本の課金コードを Antigravity と移し替えた記録
理屈の後は実例です。10年動いていた課金コードを、壁紙アプリ4本まとめて StoreKit 2 へ移し替えた記録で、個人開発の現場感がそのまま残っています。エージェントにどこまで任せ、どこから自分の手で確かめたかという分担の記述が、先の2本の原則と気持ちよく噛み合います。実機と App Store のサンドボックスでつまずいた3点は、同じ移行を控えている方への先回りの答えになるはずです。
道具を手に馴染ませる — 日本語UIの設定から
Antigravity 2.0 を日本語UI で快適に使うための設定 — 言語パック・コマンドパレット・AI 応答言語の指定
最後は肩の力を抜いて読める1本を。UI・コマンドパレット・AI 応答言語を3レイヤーに分けて日本語化していく設定ガイドです。「あえて英語に残す」選択肢まで含めて整理されているのが良いところで、検索性を考えてコマンド名は英語のままにするという判断には、頷く方も多いと思います。AI 応答言語の指定が最も忘れられがち、という指摘は、設定を済ませたつもりの方にこそ確かめてほしい点です。
来週は Gemini CLI の終了日をまたぎます。移行がまだの方は、今週のうちに新しい CLI に手を慣らしておくと、締切の日を静かに迎えられます。まずはタスク設計の記事から、次にエージェントへ出す依頼を一つ、「15分でレビューできる単位」に切り直してみてください。