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◈ Agents & Manager/2026-06-12中級

Managed Agents API を動かして考えた、クラウド実行と手元実行の境界線

Gemini API の Managed Agents(公開プレビュー)を Python から起動し、ポーリング・アーティファクト回収・コストガードまで実装した記録です。手元の CLI エージェントとの使い分け基準も5項目にまとめました。

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✦ プレミアム記事

6月18日の Gemini CLI 提供終了を前に、手元のスクリプト群を Antigravity CLI へ移し替える作業を少しずつ進めていました。その途中でふと手が止まったのが、Gemini API 側に入った Managed Agents(公開プレビュー)の存在です。

1回の API 呼び出しで、推論・ツール使用・コード実行までを隔離された Linux 環境で済ませてくれる仕組み。I/O 2026 の発表で概要は知っていたものの、実際に触ってみると「手元のエージェント運用と役割が重なるのでは」という感触と、「いや、明確に別物として扱うべきです」という感触が交互にやってきました。

数日かけて自分の運用ジョブをいくつか移してみた結果、いまは「境界線を引けば両方とも手放せない」と考えています。本稿はその試行の記録です。コードはすべて執筆時点(2026年6月12日)の公開プレビューでの挙動に基づきます。GA までにフィールド名や挙動が変わる可能性がある点は、あらかじめご了承ください。

Managed Agents は何を肩代わりしてくれるのか

Antigravity 2.0 は、デスクトップアプリ・CLI・SDK・Managed Agents API・エンタープライズ経路の5つのサーフェスで構成されています。前の3つが「手元のマシンでエージェントを動かす」ための入口なのに対して、Managed Agents だけは性質が異なります。エージェントの実行環境そのものを Google 側のインフラに置く経路です。

呼び出しは1回。その向こうで Gemini 3.5 Flash が推論し、必要に応じてツールを使い、隔離された Linux サンドボックスでコードを実行して、成果物を返してくれます。

これを自前で組もうとすると、Docker コンテナの準備、実行ごとのクリーンアップ、権限分離、ネットワーク制限の設計が全部こちらの仕事になります。実際に私自身、記事公開パイプラインの隔離実行を自前のコンテナで運用していた時期がありますが、本体の処理よりも「環境を壊さない・漏らさない」ための周辺コードの方が大きくなりました。その周辺一式を API の向こう側へ置けるのが、この仕組みの本質と感じています。

一方で、手元のリポジトリを深く読みながら対話的に進める作業には向きません。そこは後半で整理します。

最小構成で起動する:エージェント実行は「リクエスト」ではなく「ジョブ」

最初に意識を切り替えるべき点がここでした。generateContent のような同期呼び出しではなく、Managed Agents の実行は非同期のジョブです。投げると run の ID が返り、状態が QUEUED → RUNNING → SUCCEEDED(または FAILED / TIMED_OUT)と遷移していきます。

依存パッケージの更新候補を調べさせる、小さなジョブを投げる例です。

import os
from google import genai
 
client = genai.Client(api_key=os.environ["GOOGLE_API_KEY"])
 
run = client.agents.runs.create(
    model="gemini-3.5-flash",
    instructions=(
        "アップロードした package.json を読み、依存パッケージのうち"
        "メジャーバージョン更新候補を、互換性リスクの所感つきで"
        "Markdown の一覧にまとめてください。"
    ),
    input_files=["./package.json"],
    sandbox={"timeout_seconds": 600},
    metadata={"job": "dep-audit-2026-06-12"},
)
 
print(run.id, run.state)  # 例: runs/8f3c... QUEUED

このコードが解決するのは「実行環境の準備を一切せずに、コード実行込みの調査ジョブを投げる」ことです。sandbox.timeout_seconds はサンドボックス側の実行上限。metadata に自前のジョブ名を入れているのは、後述する冪等性のためです。

私の環境では、投入からサンドボックス確保(RUNNING への遷移)まで平均8秒前後でした。手元で Docker コンテナを起こすのと体感は大きく変わりません。コールドスタートを心配していたぶん、拍子抜けした部分です。

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✦クラウドの隔離サンドボックスに乗せる処理と、手元の CLI エージェントに残す処理の判断基準を5項目に整理しました
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