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Agents & Manager/2026-06-30上級

1,400箇所の置換を1コミットで投げてきたエージェントに、バッチで返してもらう設計

Antigravity に大規模な機械的置換(codemod)を任せると、レビュー不能な巨大1コミットが返ってくることがあります。ast-grep のルールと検証付きバッチドライバで、置換を「機械の仕事」と「人の確認」に分け、安全に通す設計を実装つきでまとめました。

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1,400箇所の置換を1コミットで投げてきた朝のこと

ある朝、4本の個人開発アプリで使い回しているイベント計測の呼び出しを、合意ベースの計測に切り替えるためにラッパーへ寄せようとしました。古い Analytics.logEvent("name", props) を、同意状態を見てから送る track("name", props) に置き換える、という単純な機械作業です。

Antigravity に「全部 track に寄せて」と頼んだところ、230ファイル・1,400箇所を一度に書き換えた単一のコミットが返ってきました。diff は気が遠くなる長さで、私自身、どこが安全でどこが危ういのかを見分けられません。

機械置換そのものは正しく動いていました。問題は、正しさを人が確認できない形で渡されたことのほうにあります。レビューできない変更は、たとえ中身が正しくても本番には出せません。

ここで段取りを説明したくなりますが、まず私が差し戻した理由から順に置いていきます。最終的にたどり着いたのは、置換を「機械の仕事」と「人の確認」に割り直す小さな設計でした。

なぜ「全置換1コミット」がレビュー不能になるのか

巨大な機械置換の diff には、性質の違う変更が混ざります。

大半は完全に定型の置換です。引数の順番も意味も変わらず、目視する価値すらありません。ところがその中に、ごく一部だけ意味が変わる箇所が紛れます。たとえば計測の前に同意状態を確認するようになったことで、同意前に呼ばれていた数箇所の挙動が変わる、といった具合です。

1,400箇所の中に紛れた十数箇所の「意味が変わる置換」を、人間が目で拾うのは現実的ではありません。レビュアーは集中力が続かず、結局「たぶん大丈夫」で通してしまいます。これがいちばんの落とし穴でした。

機械が確実に直せる部分はレビュー不要にし、人が判断すべき部分だけを小さく切り出す。この分離ができていないと、量に飲まれて品質が下がります。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

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この記事で得られること
1,400箇所の置換を25ファイル単位のバッチに割り、各コミットで型チェックとテストを通す検証ゲートの実装
ast-grep ルールで「機械が確実に直せる部分」と「人が判断する部分」を分離する書き方
1バッチの変更ファイル数に上限をかけ、エージェントが巨大diffを積めないようにする制約の入れ方
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