ANTIGRAVITY LABEN
記事一覧/Agents & Manager
Agents & Manager/2026-06-30上級

1,400箇所の置換を1コミットで投げてきたエージェントに、バッチで返してもらう設計

Antigravity に大規模な機械的置換(codemod)を任せると、レビュー不能な巨大1コミットが返ってくることがあります。ast-grep のルールと検証付きバッチドライバで、置換を「機械の仕事」と「人の確認」に分け、安全に通す設計を実装つきでまとめました。

Antigravity352codemodast-grepリファクタリング3AIエージェント36コードレビュー9個人開発94

プレミアム記事

1,400箇所の置換を1コミットで投げてきた朝のこと

ある朝、4本の個人開発アプリで使い回しているイベント計測の呼び出しを、合意ベースの計測に切り替えるためにラッパーへ寄せようとしました。古い Analytics.logEvent("name", props) を、同意状態を見てから送る track("name", props) に置き換える、という単純な機械作業です。

Antigravity に「全部 track に寄せて」と頼んだところ、230ファイル・1,400箇所を一度に書き換えた単一のコミットが返ってきました。diff は気が遠くなる長さで、私自身、どこが安全でどこが危ういのかを見分けられません。

機械置換そのものは正しく動いていました。問題は、正しさを人が確認できない形で渡されたことのほうにあります。レビューできない変更は、たとえ中身が正しくても本番には出せません。

ここで段取りを説明したくなりますが、まず私が差し戻した理由から順に置いていきます。最終的にたどり着いたのは、置換を「機械の仕事」と「人の確認」に割り直す小さな設計でした。

なぜ「全置換1コミット」がレビュー不能になるのか

巨大な機械置換の diff には、性質の違う変更が混ざります。

大半は完全に定型の置換です。引数の順番も意味も変わらず、目視する価値すらありません。ところがその中に、ごく一部だけ意味が変わる箇所が紛れます。たとえば計測の前に同意状態を確認するようになったことで、同意前に呼ばれていた数箇所の挙動が変わる、といった具合です。

1,400箇所の中に紛れた十数箇所の「意味が変わる置換」を、人間が目で拾うのは現実的ではありません。レビュアーは集中力が続かず、結局「たぶん大丈夫」で通してしまいます。これがいちばんの落とし穴でした。

機械が確実に直せる部分はレビュー不要にし、人が判断すべき部分だけを小さく切り出す。この分離ができていないと、量に飲まれて品質が下がります。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

この記事の続きを読む

この先には、実装コードやベンチマーク結果など、実務でお役に立てる内容をご用意しています。このサイトは広告を掲載しておらず、サーバーや開発にかかる費用はメンバーの皆様のご支援で成り立っています。もしお役に立てていましたら、ご支援いただけますと大変ありがたいです。

この記事で得られること
1,400箇所の置換を25ファイル単位のバッチに割り、各コミットで型チェックとテストを通す検証ゲートの実装
ast-grep ルールで「機械が確実に直せる部分」と「人が判断する部分」を分離する書き方
1バッチの変更ファイル数に上限をかけ、エージェントが巨大diffを積めないようにする制約の入れ方
Stripe による安全な決済 · いつでもキャンセル可能

この記事を購入する

この先の内容をすべてお読みいただけます。一度のご購入で、いつでも何度でもアクセスできます。このサイトは広告を掲載しておらず、皆さまのご支援がサーバー費用などの運営を支えています。

または
メンバーシップなら全記事が読み放題 →
シェア

お読みいただきありがとうございます

Antigravity Lab は広告なしで運営しており、サーバー費用などの運営コストはメンバーシップのご支援で賄っています。実装コード・ベンチマーク・本番設計パターンなど、実務でお役立ていただける記事を毎日更新しています。もし読んでよかったと感じていただけましたら、ぜひご覧ください。

  • コピー&ペーストで使える実装コード付き
  • 毎日新しい上級ガイドを追加
  • ¥580/月 または ¥1,480 の永久アクセス
メンバーシップを見る →

関連記事

Agents & Manager2026-04-14
Antigravity × AgentKit 2.0 × Stripe でつくるAIエージェント SaaS — 個人開発者が本番運用まで到達する実装ガイド
AgentKit 2.0 と Stripe を組み合わせ、サブスクリプション収益を得られるAIエージェント SaaS を Antigravity で構築する完全ガイド。アーキテクチャ設計から本番デプロイまで、個人開発者が実際につまずく落とし穴と解決策を詳解します。
Agents & Manager2026-07-12
Antigravity のエージェントに任せる作業と任せない作業を2週間の運用で見直す
個人開発の日々のタスクを2週間 Antigravity のエージェントに渡し続けた運用ログから、任せて正解だった作業と手元に引き戻した作業の分かれ目を振り返ります。自信満々に間違える瞬間への備えや、任せ方そのものの設計についても述べています。
Agents & Manager2026-07-12
書き込みより怖いのは到達先だった — エージェントの外向き通信を許可ホストだけに絞る
エージェントに実作業を委ねるとき、私が一番警戒しているのはファイルの書き換えではなく、どこへ通信するかです。到達先を deny-by-default で絞る小さなゲートの実装と、21晩の無人運用で拾った通信の内訳をまとめました。
📚RECOMMENDED BOOKS
大規模言語モデル入門
山田育矢
LLM開発
生成AIプロンプトエンジニアリング入門
我妻幸長
プロンプト
Claude CodeによるAI駆動開発入門
平川知秀
AI駆動開発
※ アフィリエイトリンクを含みます
もっと見る →