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Antigravity 基本/2026-06-23上級

既定モデルの入れ替わりに自動実行を巻き込まれないために — 出力スナップショットと差分ゲートの設計

Antigravity 2.0 で既定の高速モデルが Gemini 3.5 Flash へ更新されました。便利な変更ですが、既定に任せたスケジュール実行は、ある朝から出力の質感が変わります。モデルを明示固定し、出力を指紋化して差分ゲートで止める運用を、個人開発の規模に合わせてまとめました。

Antigravity 2.05Gemini 3.5 Flash4モデル固定差分検出スケジュール実行5再現性4個人開発74回帰検証

プレミアム記事

ある朝、いつもどおり走っているはずの自動投稿の下書きを開いて、見出しの付き方がほんの少しだけ変わっていることに気づきました。文章の中身が間違っているわけではありません。ただ、箇条書きのリズムや段落の切り方が、前の週までとは別人のものになっていました。

原因はこちらのプロンプトでも設定でもありませんでした。Antigravity 2.0 で、既定の高速モデルが Gemini 3.5 Flash へ更新されていたのです。ベンチマーク上は Terminal-Bench 2.1 で 76.2%、MCP Atlas で 83.6% と、前世代の Pro を上回ると説明されています(出典: Google Developers Blog)。性能としては歓迎すべき更新です。けれども「既定に任せていた」スケジュール実行にとっては、自分の関与しないところで出力の素性が入れ替わった、という出来事でした。

この記事は、その入れ替わりを事故にしないための設計をまとめたものです。個人開発で複数サイトの下書きを毎日自動生成している私自身の運用を題材にしています。

「既定に任せる」が、自動実行でだけ危ういのはなぜか

対話的に使っているときは、既定モデルが変わっても問題になりません。出力を目で見て、おかしければその場で投げ直せるからです。人間が最後の検品をしています。

スケジュール実行はそこが違います。夜間に走り、結果がそのまま次の工程へ流れます。検品する人がいません。だから「平均的には良くなった」という変化でも、こちらの後段が前のモデルの癖を前提に組まれていれば、静かにずれていきます。整形スクリプトが特定の見出し記号を待っていたり、文字数の下限ゲートが前のモデルの文量を前提にしていたりすると、品質が上がった結果としてゲートが落ちる、という倒錯すら起こります。

つまり問題は「新しいモデルが悪い」ことではありません。自分が把握していないタイミングで、出力の前提が動くことです。向き合うべきはモデルの優劣ではなく、変化の不可視性のほうだと考えています。

まずモデルを明示的に固定する

最初の一手は単純です。スケジュール実行のエージェントには、既定に頼らず使うモデルを書き切ります。

{
  "agent": "nightly-draft",
  "model": "gemini-3.1-pro",
  "fallback": "gemini-3.5-flash",
  "temperature": 0.2,
  "note": "既定変更の影響を受けないよう、モデルは明示。fallbackは固定モデルが引けない時だけ"
}

model を明示しておけば、プラットフォーム側の既定が動いても、このエージェントは指定したモデルを使い続けます。fallback は「固定したモデルが一時的に引けないときだけ、ここへ落ちる」という宣言です。既定の自動追従とは意味が違います。前者はこちらが選んだ二択、後者は向こうが選んだ一択です。

ただ、固定はあくまで時間を稼ぐための措置です。固定したまま放置すれば、いずれ古いモデルの提供が終わります。固定の本当の目的は、変化のタイミングをこちらが選べるようにすることにあります。そのために、次の差分ゲートが要ります。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

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この記事で得られること
既定モデルが入れ替わっても出力を壊さないための、モデル明示固定とフォールバック宣言の最小設定
出力を正規化して指紋化し、許容できない変化だけを exit 1 で止める差分ゲートの完全な実装
更新を歓迎する運用へ組み替えるための、スナップショット更新と一本だけ先行検証する移行手順
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