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Editor View/2026-06-28上級

高速化した部分文字列検索を、大規模リポジトリでエージェントに正しい文脈を渡す土台にする

Antigravity の部分文字列検索が高速化したことを単なる体感速度の向上で終わらせず、巨大なコードベースでエージェントに過不足ない文脈を渡すための検索設計へどう接続するかを、具体的な手順と落とし穴とともにまとめます。

Antigravity283エディタ6検索コードベース設計9

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数万ファイル規模のリポジトリでエージェントに「この関数の呼び出し元を直して」と頼んだとき、見当違いの場所をいじられた経験はないでしょうか。原因の多くは、エージェントが探すべき場所を絞り込めず、無関係なコードまで文脈に取り込んでしまうことにあります。

Antigravity の最近のポイントリリースで部分文字列検索が高速化されました。これを「待ち時間が減って快適になった」で終わらせるのはもったいない話です。検索が速いということは、エージェントに渡す文脈を組み立てる前段で、何度でも安く絞り込めるという意味でもあります。速度はそのまま、グラウンディング(文脈の根拠付け)の精度に転化できます。

私自身、個人開発で大きくなったモノレポを抱えていて、エージェントに丸ごと読ませると的外れな提案が増える、という壁に何度もぶつかってきました。検索を文脈設計の道具として使い直したところ、修正の精度が体感で大きく変わりました。その考え方を共有します。

なぜ大規模リポジトリでエージェントは外すのか

巨大なコードベースでエージェントの精度が落ちる原因は、能力不足よりも文脈の与え方にあります。私が自分のリポジトリで失敗を振り返ると、的外れのおよそ80%は「渡した文脈が多すぎる」ことが引き金でした。

関連の薄いファイルを一緒に渡すと、エージェントはそれらを手がかりとみなして、似て非なる箇所を編集してしまいます。逆に、必要なファイルが欠けていると、想像で補おうとして辻褄合わせのコードを書きます。つまり、多すぎても少なすぎても精度は落ちます。狙うのは過不足のない一束です。

ここで速い検索が効いてきます。安く何度も絞り込めるなら、最初から完璧な検索語を当てる必要はありません。広く当てて、結果を見て、狭く絞る、という往復を許容できます。

2段構えで絞り込む

私は検索を1回で終わらせず、必ず2段に分けています。

第1段: シンボルで広く当てる

まずは関数名やクラス名そのもので全体を当て、分布を把握します。どのディレクトリに集中しているか、想定外の場所に飛び火していないかを見ます。

# 第1段: シンボル名で全体の分布を把握する
rg --no-heading -n "processPayment" \
  | awk -F: '{print $1}' | sort | uniq -c | sort -rn

ファイル単位の出現数を集計すると、「どこを本丸とみなすべきか」が一目で分かります。出現が1〜2件のファイルは周辺、十数件のファイルは中心、と当たりを付けます。

第2段: 文脈語で狭く絞る

次に、本丸とおぼしき範囲だけに対象を絞り、修正の目的に直結する語で再検索します。たとえば「呼び出し元の引数を変える」のが目的なら、呼び出しパターンそのものを当てます。

# 第2段: 中心ディレクトリ内で呼び出しパターンだけを抽出
rg --no-heading -n "processPayment\(" src/billing/ \
  --type ts -C 2

この2段構えにすると、エージェントに渡す候補が「全体」から「中心ディレクトリの該当呼び出し周辺」まで一気に縮みます。文脈の量を約90%削れる場面も珍しくありません。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

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この記事で得られること
検索を漠然と1回投げるのではなく、広く当てて狭く絞る2段構えにする具体的な手順
巨大リポジトリでエージェントの精度が落ちる原因の8割は文脈過多だという観察と、その削り方
検索ノイズを下げる ignore 設計と、関連ファイルだけを束ねて渡す軽量スクリプト
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