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Editor View/2026-07-01上級

部分文字列検索が速くなった後で、エージェントの探索の組み方を見直す

6/26 の更新で部分文字列検索が高速化されました。単なる体感の改善に留めず、エージェントにコードを探させるときの手順・コンテキスト予算・検証の置き方をどう変えるか、実測を交えて整理します。

Antigravity301コード探索エージェント設計11コンテキスト管理4検索2

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6/26 の更新で、Antigravity の部分文字列検索が目に見えて速くなりました。手元の 2 万ファイル規模のモノレポで、以前は結果が返るまで数呼吸待たされていた検索が、ほとんど待ちを感じなくなっています。

ただ、速度が上がったこと自体より、そこから先の話が私には重要でした。検索が遅いあいだ、私たちは無意識に「エージェントにあまり検索させない」設計を選んでいたのです。速くなったなら、その前提ごと組み直す価値があります。部分文字列検索の高速化を単なる快適さの向上で終わらせず、エージェントにコードを探させる手順そのものをどう再設計するか、個人開発での実測とともに書いていきます。

検索が遅かった頃、私たちは何を諦めていたか

エージェントにコードベースを触らせるとき、探索のやり方は大きく二つに分かれます。生の部分文字列検索(grep 系)で当たりを付ける方法と、意味的な近さで候補を引く検索(埋め込みベース)です。

検索が遅いと、grep 系の一発あたりのコストが重くなります。すると設計は自然と「なるべく検索させず、最初に大きな文脈をまとめて渡す」方向に寄っていきます。私自身、以前は関連しそうなディレクトリをまるごとエージェントに読ませてから作業させていました。これは一見効率的ですが、無関係なファイルでコンテキストを埋め、肝心の判断がぼやける原因になります。

部分文字列検索が速くなると、この天秤が逆に傾きます。**「まず狭く探して、必要な分だけ読む」**という、人間が実際にやっている探索に近い設計が現実的になります。

高速化で何がどれだけ変わったのか、まず測る

体感で語る前に、探索の実コストを数値にしておきます。私が使っているのは、エージェントの 1 タスクあたりの「検索呼び出し回数」「読み込んだ総トークン」「往復回数」を記録する薄いラッパーです。

#!/usr/bin/env bash
# agy-probe.sh — エージェント実行のコストを 1 タスク単位で記録する
# 使い方: ./agy-probe.sh "AdMob の同意フローを consent モジュールに絞って調べて"
set -euo pipefail
 
TASK="$1"
LOG="probe_$(date +%Y%m%d_%H%M%S).jsonl"
 
# --json-events でエージェントの内部イベントを行区切り JSON として受け取る
agy run --json-events --prompt "$TASK" | while IFS= read -r line; do
  echo "$line" >> "$LOG"
done
 
# 集計: 検索呼び出し・読み込みトークン・往復回数を抜き出す
python3 - "$LOG" << 'PY'
import json, sys
searches = reads = tokens = turns = 0
for ln in open(sys.argv[1]):
    ev = json.loads(ln)
    t = ev.get("type")
    if t == "tool_call" and ev.get("name") in ("search", "grep"):
        searches += 1
    if t == "file_read":
        reads += 1
        tokens += ev.get("tokens", 0)
    if t == "assistant_turn":
        turns += 1
print(f"searches={searches} file_reads={reads} read_tokens={tokens} turns={turns}")
PY

同じ調査タスクを、更新前後のバージョンを固定して 10 回ずつ流したところ、私の環境では次のような傾向が出ました。数値はあくまで手元のモノレポでの一例です。

指標(10 回平均)更新前の設計(大きく読ませる)更新後の設計(狭く探す)
検索呼び出し回数3.211.4
読み込みトークン約 48,000約 16,500
アシスタント往復6.15.4
誤ったファイルへの編集2 回0 回

検索の回数はむしろ増えています。狙いはそこではありません。読み込むトークンを約 66% 減らしつつ、誤編集を消せたことが本題です。検索が安くなったぶん、読む前に絞り込む余地が生まれたわけです。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

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この記事で得られること
grep 先行と意味検索を、速くなった部分文字列検索を前提に配分し直す判断基準
エージェントの探索コストを 1 タスクあたりのトークン・往復回数で測る計測スクリプト
検索結果を鵜呑みにさせないための『範囲を絞る足場』の作り方
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