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AIツール/2026-04-06中級

Cursor 3 と Antigravity を使い比べて — 2026年4月時点の実感レポート

2026年4月2日にリリースされたCursor 3とAntigravityを、個人開発の現場で実際に使い比べました。Agents Window、並列エージェント、コスト、MCP対応の差異をフラットにレポートします。

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朝、同じ画面に Cursor 3 と Antigravity のウィンドウを並べて開く日が、しばらく続きました。片方で並列エージェントを走らせ、もう片方ではオーケストレーターに設計を委ねる。個人開発でひとつのアプリを仕上げていく中で、この二つは似ているようで、手に馴染む場所が違うのだと少しずつ分かってきました。

2026年4月2日にリリースされた Cursor 3 の目玉は、複数のAIエージェントを並列実行できる「Agents Window」です。一方の Antigravity も同時期に更新を重ねており、どちらを主軸に据えるか迷う方も多いはずです。ここでは両方を実際に触れながら感じた違いを、できるだけフラットにまとめます。どちらが優れているかという話ではなく、どんな作業のときにどちらが手に馴染むか、という視点でお読みいただければ幸いです。

Cursor 3の主な新機能

Cursor 3の最大の変更点は「Agents Window」の導入です。これにより、複数のAIエージェントを同一プロジェクト上で並列実行できるようになりました。

主な追加・強化点を整理すると、以下のようになります。

  • Agents Window: 複数エージェントの同時実行。タスクを分割して並列処理させることで、大規模コードベースの操作が速くなります。片方でテストを書かせ、もう片方でモジュールをリファクタする、といった使い方ができます
  • バックグラウンドエージェント強化: タスクを非同期で走らせつつ、メインの編集を妨げない設計。結果は専用パネルにあとから届きます
  • Claude Opus 4.6への対応: GPT-4.1、Gemini 3.1 Pro と並んで、タスクごとにルーティング先を選べるようになりました
  • UI/UXの刷新: パネルレイアウトとキーバインドが整理され、チャット体験がより集中しやすくなっています

Agents Window は、それまで順番に処理していた大きめのタスクを分割して同時に進められる点が、実際に使うと体感で効いてきます。

AntigravityのエージェントモデルとAgents Windowの比較

Antigravityはもともとマルチエージェントを第一原理として設計されており、後付けの機能ではありません。AgentKit 2.0によるオーケストレーターモデルを採用しています。

Cursor 3のAgents Windowが「並列タスク実行」に重点を置くのに対し、AntigravityのAgentKitは「エージェント間の役割分担と委任」をコアに置いています。

たとえばAntigravityでは、オーケストレーターエージェントが大きなタスクを解析し、専門化された16種のエージェントに適切な作業を割り振ります。一方Cursor 3のAgents Windowは、開発者が明示的に複数タスクを定義して並列実行する、より手動に近いアプローチです。

どちらが優れているかはユースケース次第です。構造をこちらの手で組みたいときはCursor 3、判断そのものをAIに委ねたいときはAntigravityが馴染みやすい、というのが使い比べた実感でした。

MCP(Model Context Protocol)対応の現状

2026年4月時点でのMCP対応状況には、両者で明確な差があります。

Cursor 3はMCPサーバーへの接続を正式にサポートしており、GitHub・Figma・Notion・Linear・Jiraなど多様な外部ツールとのシームレスな連携が可能です。設定も素直で、コンテキストを外部ツールから引いてくるワークフローでは扱いやすく感じます。

Antigravityは現時点でMCPの直接サポートを持たず、独自のBuilderとAPI接続機能を通じた外部連携となります。MCPが事実上の業界標準になりつつある中で、すでにMCPサーバーを軸に環境を整えている方にとっては、この差が選択基準になり得ます。

一方で、AntigravityのBuilderはノーコードに近い操作性で外部API連携を設定できるため、MCPの複雑な初期設定を踏まずに済むという見方もできます。ここは自分の既存環境がどちらに寄っているかで、印象が変わる部分だと思います。

コストモデルの比較

コスト面でも、両者のアプローチは異なります。

Cursorは月額固定のサブスクリプション制(Pro・Businessなど)を基本とし、高速モデルの使用に一定の上限が設けられています。Cursor 3では上限の緩和が行われましたが、Agents Windowで並列エージェントを多用するとトークン消費が増え、上限に早く届く場面もあります。

Antigravityはクレジット制を採用しており、使用量に応じた従量課金です。Gemini 3.1 Proを基盤モデルとして使う場合のコスト効率は高く、常時大量に使うわけではない個人開発者であれば、月額Proプランより安く収まるシナリオも少なくありません。逆に、チームで一日中回すような高負荷では、比較はもう少し複雑になります。

モデル選択の柔軟性

Cursor 3ではClaude Opus 4.6、GPT-4.1、Gemini 3.1 Proなどを、タスクごとに選んで使い分けられます。創作寄りの作業とコード中心の作業でモデルを振り分けたいとき、この柔軟性は効いてきます。

AntigravityはデフォルトでGemini 3.1 Proを搭載し、Claude Opus 4.6も組み込みで選べます。モデル選択の幅はCursor 3にやや譲りますが、日々のコーディングではGemini 3.1 Proが十分に力を発揮してくれます。

個人開発での使い分け — 私の実際のワークフロー

理屈の比較よりも、実際にどう使い分けているかをお伝えするほうが役に立つかもしれません。

私自身の場合、新しいアプリの立ち上げでは Antigravity を主軸にしています。画面設計や初期のディレクトリ構成のように、正解が一つに定まらない工程では、オーケストレーターに全体を渡して「まず形にしてもらう」ほうが速いからです。細部の判断まで自分で握らずに済むぶん、頭の余白ができます。

一方、すでに動いているコードベースに手を入れるときは Cursor 3 に切り替えます。ここではAIに委ねすぎると、意図しない箇所まで書き換わってしまうことがあり、Agents Window で「この範囲だけ」「このファイルだけ」と自分で明示できる手動寄りの制御が安心につながります。

具体的には、こんな分担に落ち着きました。

  • ゼロからの新規機能: Antigravity のオーケストレーターに設計から任せる
  • 既存モジュールのリファクタ: Cursor 3 の Agents Window で範囲を区切って並列実行
  • 外部サービス連携(GitHub・Notion 等): MCP が揃っている Cursor 3
  • Firebase / Gemini API を絡めた実装: Google エコシステムに近い Antigravity

二者択一で考えていた頃より、この使い分けに落ち着いてからのほうが、手戻りが減った実感があります。ツールを一つに絞ることが目的化していたのだと、今では思います。

どちらを選ぶべきか

両ツールを使い比べた率直な感想として、得意分野が異なると感じました。

Cursor 3が向いているのは、すでにVS Code系のキーバインドに慣れており、MCPによる幅広い外部ツール連携を重視する方、とりわけフロントエンドやフルスタックの大きめのプロジェクトに取り組む開発者です。

Antigravityが向いているのは、エージェントに主導権を委ねてタスクを進める「エージェントファースト」なスタイルを好む方、Googleのエコシステム(Firebase、Gemini API)をフル活用したい個人開発者や小規模チームです。

どちらか一方に絞る必要はなく、プロジェクトの性質によって使い分けるのが現実的だと思います。実際、両方を並行して使っている開発者も少なくありません。

全体を振り返って

Cursor 3のAgents Windowは並列エージェント実行という実用的な進化をもたらし、AI IDE全体の水準を一段引き上げました。AntigravityはAgentKit 2.0による構造化されたオーケストレーションで、独自の立ち位置を保っています。

もし今日から片方を試すなら、まずは自分がこれから触るコードが「新規」か「既存の改修」かで選んでみてください。その一点だけでも、最初の相性はかなり掴めるはずです。使い分けの手がかりになれば嬉しいです。お読みいただき、ありがとうございました。

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