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◈ Agents & Manager/2026-07-16上級

作業中のエージェントに、次の指示をいつ渡すか — 待つ・割り込む・積むを実運用で測りました

Antigravity v2.3.0 で入ったメッセージのキューイングと Send Now。待つ・割り込む・積むの三択を同じ物差しで測り、積んだ指示が古くなる問題と、前提スタンプで手戻りを22%から9%へ下げた記録をまとめました。

Antigravity386エージェント74v2.3.0キューイング運用設計27

✦ プレミアム記事

エージェントが黙々とファイルを書き換えている画面を、しばらく眺めていました。あと二分ほどで終わりそうです。その二分のあいだに、次にやってほしいことを思いついてしまう。

待てばいい。頭では分かっているのに、手が動いて割り込みを打ってしまう。すると、それまで積み上がっていた計画が一度崩れて、エージェントは最初から考え直しはじめる。結局、待ったほうが速かった、という日が何度もありました。

Antigravity v2.3.0(2026-07-13)でメッセージのキューイングが入り、この「二分」の扱い方に三つ目の選択肢が加わりました。作業中でも次の指示を積んでおける。即時に割り込みたいときは Send Now を選べる。

一見すると、待つ理由がなくなったように思えます。ただ、実際に積みはじめてから気づいたことがありました。積んだ指示は、届く頃には少し古くなっているのです。

三つの渡し方を、同じ物差しで測る

まず、比べる対象をはっきりさせておきます。

方式内容使えるバージョン
待つ応答が返り切ってから次の指示を打つ全バージョン
割り込む作業中に送信し、その場で計画を差し替えさせる全バージョン / v2.3.0 では Send Now
積むキューに入れ、現在の作業が終わってから順に実行させるv2.3.0 以降

体感で語ると、どうしても「待つのは遅い」という直感に引きずられます。そこで、二つの数字だけを取ることにしました。

実効待ち時間 — 指示を思いついてから、その指示の成果物が手元に返るまでの時間です。送信できるまでの時間ではありません。ここを取り違えると、割り込みが不当に速く見えます。

手戻り率 — 返ってきた成果を、そのまま採用できずに撤回・やり直しにした割合です。個人開発では、ここが効いてきます。私自身、一人で回している以上、やり直しの一回は純粋な損失だからです。

測り方は素朴です。指示を出した時刻をメモに残し、成果を受け取った時刻と採否を後から突き合わせました。手作業ですが、判断が入る部分を自動化すると、かえって基準がぶれます。

計測期間には非対称があります。待つ・割り込むは 5月末から 7月12日までの約6週間、追加指示 214 件。積むは、段階配布で手元に v2.3.0 が届いてからの 3日間、90 件です。積むの数字は暫定値として読んでいただければ幸いです。

割り込みが速く見えて、遅い理由

数字を並べます。

方式件数実効待ち時間(中央値)手戻り率
待つ1316分05秒6%
割り込む837分48秒31%
積む(前提スタンプなし)905分12秒22%

割り込みは、送信できるまでの待ち時間がゼロです。それなのに、成果が返るまででは待つより 1分43秒 遅い。

理由は、割り込みが二つのコストを同時に払わせるからでした。ひとつは再計画です。エージェントは進行中の計画を捨て、新しい指示を織り込んだ計画を立て直します。この立て直しに中央値 2分40秒 かかっていました。

もうひとつは、捨てられた作業です。書きかけのファイルが中途半端な状態で残り、次のステップがその中途半端さを前提にしてしまう。手戻り率 31% の内訳を見ると、半分以上がこの「途中の状態を掴んでしまった」型でした。

積むと、この二つのコストは消えます。実効待ち時間は待つより 53秒 短い。思いついた瞬間に手放せるぶん、こちらの集中も切れません。

それでも手戻り率が 22% ある。ここが本題です。

✦

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この記事で得られること
✦待つ・割り込む・積むの三方式を、手戻り率と実効待ち時間という同じ物差しで比較した実測値
✦キューに積んだ指示の41%が「実行時点でHEADが進んでいた」— 前提のずれを検知する20行のスタンプ生成スクリプト
✦前提スタンプ導入で手戻り率を22%から9%へ。Send Now を使うべき3条件と、積んではいけない指示の見分け方
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