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Agents & Manager/2026-07-01上級

モデルがフォールバックしても命名と書式をぶらさない — エージェント出力の一貫性を保つ契約

エージェントの実行中にモデルがフォールバックすると、コードの命名規約や書式が静かにぶれます。モデルに依存しないスタイル契約と正規化パスで、出力の一貫性を保つ実装をまとめました。

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先週、Antigravity のエージェントに 4 つのアプリの設定画面をまとめて実装させていたとき、途中から生成されるコードの雰囲気が変わっていることに気づきました。前半のファイルは handleSubmit のようなキャメルケースで揃っていたのに、後半では on_submit が混ざり、インデントもタブとスペースが入れ替わっていたのです。

原因はすぐに分かりました。実行の途中で上位モデルが混雑し、下位モデルへフォールバックしていたのです。モデルが変われば、既定の書式や命名の癖も変わります。人間には些細に見えても、レビュー時の認知負荷は確実に増えますし、diff が無駄に膨らみます。

個人開発でアプリを 12 年ほど続けてきて、私自身がいちばん時間を溶かしてきたのは、こういう「機能ではなく一貫性の欠如」に対するレビューでした。前置きは省いて、モデルがフォールバックしても出力がぶれない仕組みを、実際に組んだ順番でお伝えします。

フォールバックが「静かなドリフト」を生む理由

モデルのフォールバックは、多くの場合ログにしか残りません。エージェントは処理を止めずに続行するため、成果物の見た目だけがじわりと変わります。ここが厄介な点です。エラーで止まってくれれば気づけますが、ドリフトは正常終了の中に埋もれます。

ぶれやすいのは次の 3 種類でした。

  1. 命名規約(キャメルケースとスネークケースの混在、Boolean の is/has 接頭辞の有無)
  2. 書式(インデント幅、末尾セミコロン、import の並び順)
  3. 出力構造(コメントの粒度、関数分割の細かさ、早期リターンの好み)

書式はフォーマッタで吸収できますが、命名と構造はフォーマッタでは直りません。ここを人間のレビューに丸投げすると、モデルが変わるたびに指摘コストが跳ね上がります。

対策の骨子 — モデルに依存しないスタイル契約

私が採ったのは、「生成するモデルが何であっても、通過しなければならない機械的な契約を先に固定する」という方針です。モデル側の善意に一貫性を期待するのをやめ、出口で強制する発想です。

契約は 3 層に分けました。

  • 第 1 層: フォーマッタ(Prettier)で書式を無条件に正規化する
  • 第 2 層: Lint(ESLint)で命名規約と構造ルールを機械判定する
  • 第 3 層: ドリフト検知で「同じ実行内で規約がぶれた箇所」を差分から洗い出す

第 1 層と第 2 層は既存資産で足ります。肝は第 3 層です。フォーマッタと Lint は「ルール違反」しか見ませんが、ドリフトは「実行の前半と後半で癖が変わった」という相対的な現象だからです。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

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モデル切替で起きる命名・書式ドリフトを検知する差分チェックの実装
ESLint/Prettier/命名規約をモデル非依存で強制するスタイル契約の構成
フォールバック発生率とドリフト率を計測して閾値で止める運用の作り方
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