「Antigravity の設定画面で Ollama を選んだのに、エージェントから呼び出すと connection refused で止まる」——これは Antigravity でローカル LLM を使い始めた方が、ほぼ全員が通るトラブルです。Ollama も LM Studio も単体では動いているのに、Antigravity との橋渡しでつまずく。原因はだいたい 5 つに集約できます。
このガイドでは、Ollama と LM Studio それぞれの接続失敗パターンを、エラーメッセージ別に切り分けていきます。私自身が macOS と Windows の両方で何度もハマった内容なので、再現性の高い解決手順だけを残しました。
まず確認: ローカル LLM サーバーは「外部から見える」状態になっているか
Antigravity がローカル LLM に接続する時、内部的には HTTP リクエスト(OpenAI 互換 API か Ollama 独自 API)を投げています。サーバー側が「localhost のみ受信」になっていると、Antigravity のサンドボックス環境やコンテナから見えません。
Ollama の場合
デフォルトの Ollama は 127.0.0.1:11434 でしか待ち受けません。Antigravity の設定によっては、これでは接続できないケースがあります。OLLAMA_HOST 環境変数で 0.0.0.0:11434 に変更すると改善することがあります。
# macOS / Linux
launchctl setenv OLLAMA_HOST "0.0.0.0:11434"
# Ollama を再起動
ollama serve
# Windows (PowerShell)
$env:OLLAMA_HOST = "0.0.0.0:11434"
ollama serve注意: 0.0.0.0 で待ち受けるとローカルネットワーク内の他デバイスからもアクセスできるようになります。家庭内 LAN なら問題ありませんが、カフェの公衆 Wi-Fi では避けてください。
LM Studio の場合
LM Studio はサイドバーの「Developer」タブから「Local Server」を起動する必要があります。起動していないと、Antigravity のリクエストはすべて「接続拒否」で返ります。
「Local Server」起動後、画面下部に表示される URL(通常 http://localhost:1234)を Antigravity の設定にそのまま貼り付けてください。ポート番号は LM Studio のバージョンによって異なる場合があるため、必ず実際の表示を確認します。
Antigravity の設定で間違いやすい 3 点
1. Endpoint URL の末尾スラッシュ
これが一番多い罠です。Antigravity の Endpoint URL に http://localhost:11434/ のように末尾スラッシュを付けると、内部の URL 結合で //api/generate のような不正なパスになり、404 が返ります。
正解は末尾スラッシュなしの http://localhost:11434 です。LM Studio も同様で、http://localhost:1234 と書いてください。
2. モデル名の表記
Ollama でインストール済みのモデルを呼び出す時、Antigravity の設定にはモデル名を 正確に 書く必要があります。ollama list で表示される名前と完全一致させてください。
$ ollama list
NAME ID SIZE
gemma4:4b abc123def 3.2 GB
llama3.2:latest xyz789ghi 2.0 GB
qwen2.5-coder:7b def456jkl 4.7 GBこの場合、Antigravity に書くのは gemma4:4b であって、gemma4 でも Gemma 4 でも gemma:4b でもありません。タグ(:4b)を省略すると、内部的に :latest が付与されて別モデルを呼びにいくことがあります。
3. OpenAI 互換 API モードと Ollama ネイティブ API の混同
LM Studio は OpenAI 互換 API(/v1/chat/completions)を提供しており、Antigravity 側では「OpenAI Compatible」プロバイダーを選びます。
Ollama も /v1/chat/completions 互換を提供していますが、Antigravity の Ollama 専用プロバイダーを選ぶ場合は /api/generate または /api/chat を呼びにいく挙動になります。プロバイダーの選択ミスで「ヘッダーに API キーが必要」というエラーが出ることがあります。
迷ったら次の指針で選んでください。
- LM Studio: Antigravity の「OpenAI Compatible」プロバイダー、Endpoint URL は
http://localhost:1234/v1、API Key は適当な文字列(lm-studioなど) - Ollama: Antigravity の「Ollama」専用プロバイダー、Endpoint URL は
http://localhost:11434
CORS エラーが出る時
Antigravity をブラウザベースで使っている場合、CORS(Cross-Origin Resource Sharing)の制約に引っかかることがあります。エラーメッセージは「CORS policy: No 'Access-Control-Allow-Origin' header」のような表示です。
Ollama の CORS 対策
Ollama 0.3.x 以降では OLLAMA_ORIGINS 環境変数で許可オリジンを指定できます。
launchctl setenv OLLAMA_ORIGINS "https://antigravity.google.com,http://localhost:*"
ollama serve複数オリジンはカンマ区切りで列挙します。* のワイルドカードも使えますが、セキュリティ上推奨されません。
LM Studio の CORS 対策
LM Studio の Local Server 設定画面で「Cross-Origin Resource Sharing (CORS)」のチェックボックスを有効にしてください。これを忘れて 30 分悩んだ経験があります。
ファイアウォール・ウイルス対策ソフトに止められている
特に Windows 環境で多いのが、Windows Defender や ESET 等のセキュリティソフトが Ollama / LM Studio の listening ポートをブロックしているケースです。
確認方法:
# PowerShell(管理者)
netstat -an | findstr ":11434"
netstat -an | findstr ":1234"LISTENING 状態になっていなければ、ファイアウォールが原因の可能性が高いです。Windows Defender ファイアウォールから受信規則を追加してください。
モデルが大きすぎてタイムアウトする
ここまでクリアしても、エージェント実行中に「Read timeout」が出ることがあります。これは接続失敗ではなく、推論時間がタイムアウト閾値を超えただけです。
Antigravity の設定で「Request Timeout」を 120 秒以上に設定してください(デフォルトは 60 秒です)。70B 以上のモデルをローカルで動かす場合、初回応答に 90 秒以上かかることは珍しくありません。
メモリ不足で推論が止まる場合は、より小さい量子化モデル(Q4_K_M 等)に切り替えるか、Antigravity 側で keep_alive を長めに設定してモデルのロード時間を消すと体感が変わります。
切り分けの最終チェックリスト
ここまでの内容を一覧でまとめます。
- Ollama / LM Studio のサーバーが起動しているか(
ollama serveまたは LM Studio の Local Server) - Endpoint URL の末尾スラッシュは付けていないか
- モデル名が
ollama listの表示と完全一致しているか - プロバイダー選択が正しいか(LM Studio = OpenAI Compatible、Ollama = Ollama)
- CORS 設定で Antigravity のオリジンが許可されているか
- Windows Defender 等にブロックされていないか
- Request Timeout が十分長いか
次のアクション
エラーメッセージを見たら、まず上のリストを上から順に確認してみてください。「connection refused」なら 1〜2、「404」なら 2〜4、「CORS」なら 5、「Read timeout」なら 7 が原因のことがほとんどです。
ローカル LLM はクラウド API と違って、自分で OS・ファイアウォール・サーバー設定の責任を持つ必要があります。最初のセットアップで一度この知識を入れておくと、以降のモデル追加やマシン移行が明確に楽になります。