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Editor View/2026-05-27中級

Antigravity の Walkthroughs を『リグレッション再現メモ』として育てた4ヶ月の運用記録

Antigravity の Walkthroughs を一度限りの解説ツールではなく『リグレッション再現の永続メモ』として4ヶ月運用した記録です。重複バグ起票が6割減った具体運用と命名規則、Agent との連携設計を整理しました。

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2026年1月、累計5,000万DLを超えた壁紙アプリで、3ヶ月前に直したはずのクラッシュをまた踏みました。Crashlytics のスタックトレースをよく見ると、見覚えのある NSRangeException です。当時の commit を git log で辿り、同じ条件で再現させ、同じ修正を入れ直しました。残ったのは「あのとき、どこに何の情報を残しておけば未来の自分を助けられたのだろう」という後悔だけでした。

その日から、Antigravity の Walkthroughs を「リファクタリングの解説」ではなく「リグレッション再現の永続メモ」として育てる運用を始めました。4ヶ月続けてみたところ、4本のアプリ全体で「重複バグ起票数」が前期比でおよそ60%減りました。今回はその運用記録です。Walkthroughs という機能の本来の使い方からは少し外れますが、個人開発の現場では十分に機能していると感じています。

同じバグを4回踏んだ事件と『記録のなさ』への気づき

2014年から個人で iOS と Android のアプリを開発してきました。AdMob 収益化を中心に、壁紙系・癒し系・引き寄せ系のアプリを並行運用しています。長く続けると、コードベースには「2017年に直した」「2020年にもう一度直した」というレイヤーが何層も積み重なります。

この4年で「同じバグだ」と気づいた瞬間が、自分で数えただけでも17回ありました。コミットメッセージで fix: collection view index out of range と書いてあったのに、半年後にまた踏みます。問題は「修正の記憶」ではなく、「再現の手順」が頭にも GitHub にも残っていないことでした。

Crashlytics のダッシュボードを見れば「いつ発生したか」は分かります。しかし「どのアプリ状態から、何タップで、どんな条件で再現するか」は記録されていません。テストコードを書こうとは何度も思いましたが、UIKit のレガシーコードに後付けで UI テストを通すのは現実的でなく、結局「次のリリースまでに観察する」と心の中で誓って終わっていました。

Antigravity の Walkthroughs を試したとき、私が最初に感じたのは「これは差分を見せるツールというより、操作の意図と順序を残せる場所だ」ということでした。差分は git が記憶してくれます。しかし「クラッシュを引き起こす操作の手順」は、git のどこにも残りません。そこを Walkthroughs に肩代わりさせられないかと考えました。

Walkthroughs を「再現メモ」として扱う発想転換

公式のドキュメントでは、Walkthroughs は Agent モードが生成したコード変更を段階的に解説するための機能として紹介されています。私自身、最初の数週間はその使い方しかしていませんでした。

転換点になったのは、Walkthrough のステップ単位に「再現操作」「期待結果」を埋め込んでみたことです。Antigravity の Agent に「この Walkthrough のステップ3として『起動後すぐにダークモードへ切り替える』という操作を、コード差分なしで純粋な手順として追加してください」とお願いしてみました。すると Walkthrough は、コード差分とテキストを混在させた「実行可能な手順書」のような形になりました。

私の運用では、ひとつのリグレッション再現メモは以下の4セクションで構成します。

  1. 前提条件: ビルド番号・OS・端末・課金状態・初回起動か再起動かの区別
  2. 再現手順: タップ・スクロール・回転などをステップで列挙
  3. 期待結果と実際の結果: 何が起きるべきで、何が起きたか
  4. 修正リンク: 該当 PR や Crashlytics の issue ID へのリンク

この4セクションを守るだけで、未来の自分が再現メモを開いたときに「これは何の話だっけ」と迷う時間が一気に短くなりました。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

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この記事で得られること
Walkthroughs を1度限りのデモから『永続するリグレッション再現メモ』へ転用する具体運用と、4本のアプリで重複バグ起票が約60%減った計測結果
RG-YYYYMM-{app}-{summary} という命名規則と、1つの Walkthrough に収める4セクション(前提・再現・期待結果・修正リンク)の構造設計
Crashlytics の生データから最小再現メモまでを Agent に検索させる仕組みと、12年の個人開発で安定して回している運用ルール
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