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Editor View/2026-08-14中級

エージェントの差分を目視で追うのをやめました。2.8.0 の表示上限をきっかけに組み直したレビュー手順

2.8.0 でファイルビューアと履歴差分に表示上限が入りました。全量を目で追う前提が崩れたことをきっかけに、機械が拾える欠陥と人にしか判断できない箇所を分けるレビュー手順へ切り替えた記録です。実際に動くスクリプトと、実リポジトリで見つかった見落としを添えています。

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差分の途中でスクロールが止まりました。8月12日の 2.8.0 で、ファイルビューアの表示サイズと履歴上の大きな差分の表示量に上限が入ったためです。大きなコマンド出力を含む会話でのクラッシュ修正とセットで入った変更で、安定性の面では歓迎すべきものです。

ただ、その日の私は「エージェントが触った範囲を最後まで見る」という前提で作業していました。上限に当たった瞬間、その前提が実は一度も検証されていなかったことに気づきます。全部見えていたときの私は、本当に全部見ていたのでしょうか。

全部見えていた頃に、見落としていたもの

答え合わせはすぐにできました。個人開発で運用している技術ブログのリポジトリには、日本語記事だけで 1,006 本の MDX が入っています。そこに、コードブロック内の不要なバックスラッシュエスケープがどれだけ残っているかを数えてみました。

grep -rc '\\!' content/articles/ja --include='*.mdx' \
  | awk -F: '$2>0{n++; s+=$2} END{print "該当ファイル:", n+0, "/ 総出現数:", s+0}'
# => 該当ファイル: 28 / 総出現数: 130

28 ファイル、130 行。中身はこういうものです。

// 公開されていた行
if (\!researchOutput.sources || researchOutput.sources.length === 0) {

\! は JavaScript として不正です。読者がこれをコピーすれば、その場で構文エラーになります。シェル経由でファイルを書いたときにヒストリ展開の対策として入ったバックスラッシュが、そのまま残ったものでした。

これらの行は、一度も隠れていませんでした。私は commit のたびに差分を眺めていて、その画面を 130 回通過しています。つまり表示上限は、見えなくしたのではなく、見ていたつもりだった部分を可視化しただけでした。

目で追う量は、変更量に比例して増える

なぜ通り過ぎたのかを考えると、構造の問題に行き当たります。

記事1本の追加は、日本語版と英語版で 2 ファイルです。このリポジトリの記事は中央値で 211 行、最大で 1,265 行ありました。1 本追加するだけで、差分は 400 行から 2,000 行になります。ここに既存記事の修正が混ざれば、さらに増えます。

人が集中して読める行数は、変更量に比例しては増えません。増えるのは「読んだつもりになる速度」のほうです。\! のような 2 文字の異物は、この速度の中でもっとも消えやすい種類のものでした。

欠陥の種類機械での検出目視での検出
不要なエスケープ・構文の壊れ確実行数に反比例して落ちる
裸URL・記法の崩れ確実同上
存在しないリンク先確実ほぼ不可能
説明と実装のずれ不可可能
その主張が正しいか不可可能

表の上半分を人間が担当していたことが、そもそもの配分ミスでした。上限が入ったのは、その配分を変える合図だったのだと受け取っています。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

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エージェントの変更を全部見なくても、見落としてはいけない箇所だけを先に潰せるようになる
壊れたコードを公開してしまう前に、自分のリポジトリで機械が拾える欠陥と拾えない欠陥を切り分けられるようになる
レビューにかける時間を変更量に比例させない仕組みを、既存のワークフローに足せるようになる
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