Gemma 4は2026年4月にGoogleがリリースしたモデルで、前世代から大幅に性能が向上しました。特にAntigravityとの組み合わせはコミュニティで注目を集めており、「初めてローカルでここまで使えるモデルが動いた」という声も多い。
一方で、Gemma 4特有のアーキテクチャ変更(マルチモーダル対応の拡充、コンテキストウィンドウの大幅拡大等)によって、以前のモデルと同じ設定では動かないケースも増えています。ここではGemma 4 on Antigravityで実際に遭遇する問題を系統的に整理し、それぞれの原因と解決策を詳しく解説します。
Gemma 4のラインナップとVRAM要件
まず、Gemma 4のどのバリアントを使うかによって要件が大きく異なるため、整理しておく。
Gemma 4には複数のサイズが存在し、それぞれ量子化の有無によってVRAM消費量が変わる。2026年4月時点でAntigravityとOllamaの組み合わせでよく使われる構成:
| モデル | フルサイズVRAM | Q4量子化VRAM | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Gemma 4 2B | ~4GB | ~1.5GB | 高速・低VRAM・軽タスク向け |
| Gemma 4 9B | ~18GB | ~6GB | バランス型・一般タスクに最適 |
| Gemma 4 27B | ~54GB | ~16GB | 高性能・大規模タスク向け |
| Gemma 4 27B IT (Instruct) | ~54GB | ~16GB | チャット・指示追従に最適化 |
Antigravityで快適に使うなら、27B Q4版は16GB以上のVRAMが必要。12GB VRAMのGPUなら9B Q4版が最適解になります。
問題1: Gemma 4のロードが途中で止まる
症状
Ollamaで ollama run gemma4 を実行すると、プログレスバーが途中で止まり、以下のようなエラーが出る:
Error: model requires more system memory than is available
pulling manifest
Error: Post "...": CUDA error: out of memory
原因
Gemma 4(特に27Bモデル)はメモリ要件が高く、システムRAMとVRAMの合計が不足していると途中でクラッシュします。Ollamaはデフォルトでモデル全体をVRAMに乗せようとするが、入らない場合はRAMにオフロードを試みる。この際にシステムRAMも足りないとエラーになります。
解決手順
ステップ1: 利用可能VRAMを確認する
# NVIDIA GPU
nvidia-smi --query-gpu=memory.total,memory.free --format=csv
# macOS(Apple Silicon)
system_profiler SPDisplaysDataType | grep "Total Number of Cores"
# Apple Siliconは統合メモリのため、使用可能量はistatmenus等で確認ステップ2: 適切な量子化レベルを選択する
# Ollama用のGemma 4(量子化済み)を選択
ollama pull gemma4:9b-instruct-q4_K_M # 推奨(バランス良好)
ollama pull gemma4:9b-instruct-q8_0 # 精度重視(VRAMが十分な場合)
ollama pull gemma4:2b-instruct-q4_K_M # VRAM 4GB以下の場合ステップ3: GPU/CPUの使用率を調整する
VRAMが部分的にしか使えない場合、GPUとCPUに分割してロードする:
# 例:モデルの24レイヤーをGPUに、残りをCPUに割り当て
OLLAMA_NUM_GPU=24 ollama serveこの値はモデルのレイヤー数(27Bは62層)に対して調整します。少なくするほどVRAM消費が減り、多くするほど速くなります。
問題2: 推論速度が極端に遅い(1 token/s以下)
症状
テキストが1文字ずつゆっくりと出力されます。体感として「使い物にならない」レベルの速度になっています。
原因と解決手順
原因A: モデルがCPUにフォールバックしている
GPUが使われていないとトークン生成速度が1/10以下に落ちます。確認方法:
# 別ターミナルで実行中に確認
nvidia-smi dmon -s u # GPU利用率をリアルタイム表示
# Ollamaのログで確認
cat ~/.ollama/logs/server.log | grep "layers"
# "using 0 layers on GPU" なら完全CPUモード解決策: GPU層の割り当てを増やす(問題1のステップ3参照)。
原因B: コンテキストウィンドウが大きすぎる
Gemma 4は最大128Kトークンのコンテキストに対応しているが、デフォルトで大きなKVキャッシュが確保されるため、不必要に遅くなることがあります。
# Ollamaでコンテキスト長を制限する
ollama run gemma4:9b-instruct-q4_K_M --verboseAntigravityの設定でコンテキスト長を指定できる場合は、通常の使用では8,192〜16,384トークン程度に抑えるだけで速度が大幅に改善します。
原因C: Flash Attentionが無効
Gemma 4はFlash Attentionに対応しており、これが有効ですと長文の処理速度が向上します。OllamaのバージョンによってはデフォルトでOFFになっている場合がある:
# Ollamaの最新版に更新
curl -fsSL https://ollama.ai/install.sh | sh
# Flash Attentionが有効かログで確認
cat ~/.ollama/logs/server.log | grep -i "flash"問題3: マルチモーダル(画像入力)が動作しない
症状
Gemma 4は画像理解(マルチモーダル)機能を持つが、Antigravityから画像を入力してもモデルが「画像は認識できません」と応答します。
原因と解決手順
原因A: インストラクションバージョン(IT版)を使っていない
マルチモーダル機能はInstructチューニング版(gemma4:9b-instruct)でのみ確実に機能します。ベースモデル(gemma4:9b)では画像処理が期待通りに動作しない場合があります。
# マルチモーダルを使うならIT版を使用
ollama pull gemma4:9b-instruct-q4_K_M原因B: OllamaのバージョンがGemma 4のマルチモーダルに未対応
Gemma 4のマルチモーダル対応はOllamaの比較的新しいバージョンで追加された。古いバージョンでは画像入力が無視される場合があります。
# バージョン確認
ollama --version
# 最新版に更新
curl -fsSL https://ollama.ai/install.sh | sh # macOS/Linux原因C: Antigravityの設定でマルチモーダルが有効になっていない
Antigravityのローカルモデル設定で、モデルのタイプが「text-only」になっている場合は、「multimodal」または「vision」に変更します。設定項目はAntigravityのバージョンによって異なるため、設定画面のモデル詳細を確認します。
問題4: 出力の品質が期待より低い(幻覚・繰り返し)
症状
Gemma 4に変えたのに以前のモデルより出力の質が落ちたように感じる。同じ内容を繰り返す、質問と関係ない内容を生成するなどの問題があります。
原因と解決手順
原因A: temperature が高すぎる
Gemma 4はCreativity-oriented(創造性重視)の調整がされているモデルで、temperatureのデフォルト値が高いと繰り返しや幻覚が出やすい。
Antigravityのモデル設定で以下を試す:
temperature: 0.3〜0.5 (事実確認や要約などの精度重視タスク)
temperature: 0.7〜0.8 (創作・アイデア出しなどのタスク)
top_p: 0.9
原因B: システムプロンプトとの相性
Gemma 4 InstructモデルはGemma独自のチャットテンプレート(<bos><start_of_turn>user...形式)を使います。OpenAI互換フォーマットで強引にリクエストすると、出力が乱れることがあります。
OllamaはGemma 4用のテンプレートを自動適用するため、Ollamaを通じて使う分には基本的に問題ありません。ただし、AntigravityでOpenAI APIモードを使っている場合は、Gemma固有のテンプレートが正しく適用されているか確認します。
原因C: repeat_penalty の設定
繰り返しが多い場合は repeat_penalty(frequency_penalty)の値を上げる:
repeat_penalty: 1.1〜1.2
ただし上げすぎると出力が不自然になるため、0.1ずつ調整します。
問題5: Antigravityでモデルが一覧に表示されない
症状
OllamaでGemma 4を ollama pull したのに、Antigravityのモデル選択画面に表示されません。
解決手順
- OllamaのAPIでモデルが認識されているか確認する:
curl http://localhost:11434/api/tags | python3 -m json.tool | grep name-
Antigravityのモデルリストをリフレッシュするボタンがあればクリックする(ない場合はAntigravityを再起動)
-
Antigravityで設定したベースURLがOllamaの実際のアドレスと一致しているか確認する
-
Gemma 4のモデル名がAntigravityのフィルター設定でブロックされていないか確認する(一部のAntigravityバージョンでは特定のモデルプレフィックスをフィルタリングする設定がある)
Gemma 4 on Antigravityの推奨設定まとめ
複数の構成を試した結果、以下の設定が多くの使用ケースで安定して高いパフォーマンスを発揮する:
VRAM 8GB GPUの場合:
- モデル:
gemma4:9b-instruct-q4_K_M - コンテキスト長: 8,192 tokens
- GPU層: 利用可能な最大数(28〜35層程度)
- temperature: 0.5(汎用)
VRAM 16GB GPUの場合:
- モデル:
gemma4:27b-instruct-q4_K_M - コンテキスト長: 16,384 tokens
- GPU層: 最大(48〜62層)
- temperature: 0.5(汎用)
Apple Silicon Mac(16GB統合メモリ)の場合:
- モデル:
gemma4:9b-instruct-q4_K_M - コンテキスト長: 8,192 tokens(16GBなら16,384も可)
- OLLAMA_NUM_GPU は不要(Apple Siliconは自動でGPU最大活用)
Gemma 4はローカルLLMの中でも現時点でトップクラスの日本語理解能力を持ちます。AntigravityとGemma 4の組み合わせは、正しく設定できればクラウドAPIに頼らずとも実用的なAIアシスタントとして機能します。設定に時間をかける価値は十分にあります。