AntigravityとローカルLLMを連携しようとしたとき、最初にぶつかる壁は「接続できない」「モデルが見つからない」という問題です。エラーメッセージだけでは何が問題なのか特定しにくい。
ここではAntigravityでローカルモデルが動かないときの原因を4つのパターンに分けて解説し、それぞれの具体的な解決手順を示す。
接続前に確認すべき前提条件
まず、AntigravityとローカルLLMが通信するための前提を整理します。
AntigravityはローカルのLLMランタイム(OllamaやLM Studio等)に対してHTTP APIリクエストを送ります。この通信が成立するには:
- ローカルランタイムが起動していて、APIエンドポイントがリッスン中であること
- AntigravityがそのエンドポイントのURLとポートを正しく把握していること
- ファイアウォールやセキュリティソフトがポートをブロックしていないこと
この3つのどれかが欠けると接続に失敗します。
パターン1: OllamaのAPIエンドポイントが見つからない
症状
Antigravityの設定でOllamaを選択し、ベースURLを入力してもモデル一覧が取得できません。「接続できません」「タイムアウト」などのエラーが出る。
確認手順
まず、Ollamaが本当に起動しているか確認する:
# macOS / Linux
curl http://localhost:11434/api/tags
# 正常な場合のレスポンス例
{"models":[{"name":"llama3.2:3b","..."}]}
# 起動していない場合
curl: (7) Failed to connect to localhost port 11434curlで Failed to connect が出た場合は、Ollamaプロセス自体が起動していません。
解決手順
# Ollamaを起動する(macOS / Linux)
ollama serve
# 別ターミナルでモデルが利用可能か確認
ollama listOllamaは ollama serve コマンドを実行している間だけAPIが有効になります。アプリを閉じてしまうと止まる。常時起動させたい場合は:
- macOS:
launchctlでデーモン登録するか、Ollama公式サイトからmacOSアプリをインストールするとメニューバーから常時起動できる - Windows: Ollamaインストーラーはサービスとして登録されるため、再起動後も自動起動する
- Linux:
systemctl enable ollamaでsystemdサービスとして有効化する
AntigravityのベースURL設定
Ollamaのデフォルトポートは 11434 。AntigravityのローカルLLM設定には以下を入力する:
ベースURL: http://localhost:11434
ポートを変更している場合は、起動時のログで確認する:
OLLAMA_HOST=0.0.0.0:8080 ollama serve
# この場合のベースURL: http://localhost:8080パターン2: LM StudioのAPIサーバーが起動していない
症状
LM Studioとの連携を試みているが、Antigravityがモデルを認識しません。
原因
LM Studioは「モデルを読み込む」だけではAPIが有効にならありません。ローカルサーバーを手動で起動する必要があります。
解決手順
- LM Studioを開く
- 左サイドバーの「Local Server」アイコン(
<->マーク)をクリック - 「Start Server」ボタンを押す
- 画面上部に
Server running on port 1234と表示されることを確認する
AntigravityのベースURL設定:
ベースURL: http://localhost:1234/v1
LM Studioは OpenAI互換のAPIを提供するため、/v1 のパスが必要な点に注意。
モデルが選択されていない場合
LM Studioでサーバーを起動しても、「Model not loaded」エラーが出る場合は、サーバーの「Select a model to load」でモデルを選択してロードします。モデルのロード完了後にAntigravityからアクセスします。
パターン3: VRAMまたはメモリ不足
症状
モデルのロードが途中で止まる、または「Out of memory」「CUDA out of memory」というエラーが出る。Antigravityからはタイムアウトとして見える。
確認手順
# GPU使用状況の確認(NVIDIA GPU)
nvidia-smi
# Ollama実行時のログ確認
ollama run llama3.2:3b
# ログに "VRAM insufficient" や "falling back to CPU" が出ていないか確認モデル別の最低VRAMの目安
| モデルサイズ | 最低VRAM(GPU) | CPU-only の場合のRAM |
|---|---|---|
| 1〜3B | 3〜4GB | 8GB |
| 7B | 6〜8GB | 16GB |
| 13B | 10〜12GB | 32GB |
| 30B以上 | 24GB+ | 64GB+ |
解決手順
VRAMが足りない場合:
- より小さいモデルを使う(例: llama3.2:3b → Gemma 2B など)
ollama runに量子化オプションを指定する(Q4モデルはVRAMを半分以下に削減):
# Q4量子化版を使用(VRAMを大幅に削減)
ollama pull llama3.2:3b-instruct-q4_K_M- Ollamaの場合、環境変数でCPU-onlyモードを強制できる:
OLLAMA_NOAVX=1 OLLAMA_NUM_GPU=0 ollama serve # GPUを無効化パターン4: macOSのセキュリティ・ファイアウォールがブロック
症状
macOS上でOllamaやLM Studioが起動しており、ターミナルからcurlでは接続できるのに、Antigravityからはタイムアウトします。
原因
macOSのApp Sandboxがアプリケーション間のネットワーク通信を制限している場合があります。
確認手順
- 「システム設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「ファイアウォール」を確認する
- Antigravityまたは使用しているブラウザ(ElectronベースのアプリならElectron)が「受信接続を許可」になっているか確認する
また、Ollamaがデフォルトでは 127.0.0.1(ループバックアドレス)のみをリッスンする設定になっており、Antigravityが別プロセスとして動いている場合に接続できないケースがある:
# Ollamaを0.0.0.0でリッスンさせる
OLLAMA_HOST=0.0.0.0:11434 ollama serveそのうえで、AntigravityのベースURLを http://127.0.0.1:11434 に変更する(localhost が ::1(IPv6)に解決される場合の回避策)。
接続確認に使える診断コマンド一覧
問題の原因を素早く特定するためのコマンドをまとめておく:
# Ollamaが起動しているか確認
curl http://localhost:11434/api/tags
# LM Studioサーバーが起動しているか確認
curl http://localhost:1234/v1/models
# ポートがリッスン中か確認(macOS/Linux)
lsof -i :11434
lsof -i :1234
# Windowsの場合
netstat -an | findstr 11434接続の問題はほとんどの場合「ランタイムが起動していない」か「ポート設定の不一致」です。まずcurlで直接エンドポイントにアクセスしてランタイム側に問題がないか確認し、それがOKならAntigravityの設定URLを見直すというアプローチで、ほぼすべてのケースが解決できます。