Antigravity を使ってローカルLLM(Ollama)と連携させたいのに、「接続できない」「モデルが認識されない」「API応答がない」といったエラーが発生することがあります。このガイドでは、よくある症状パターンから始まり、段階的に問題の原因を特定し、解決策を実行していく方法をお伝えします。
よくある症状パターンと原因の見当たで判断
Ollamaの接続エラーは、表面的には同じ「接続できない」という症状に見えても、実は複数の異なる原因があります。まず、あなたが経験している症状がどのパターンに近いか確認しましょう。
接続タイムアウト エラー
- メッセージ例:「Connection timeout」「No response from localhost:11434」
- 原因の可能性:Ollamaが起動していない、ポートが違う、ファイアウォールがブロック
モデルリストが空
- メッセージ例:「Available models: []」「No models loaded」
- 原因の可能性:Ollamaは起動しているがモデルがプル(ダウンロード)されていない
API応答エラー
- メッセージ例:「500 Internal Server Error」「Invalid request format」
- 原因の可能性:Ollama設定ファイルの形式が違う、リクエストフォーマットの不整合
認証・パーミッションエラー
- メッセージ例:「Permission denied」「Authentication failed」
- 原因の可能性:Ollamaユーザーの権限設定、環境変数の未設定
これらのパターンを念頭に置きながら、以下の診断ステップを上から順に実行してください。
診断ステップ① Ollamaが起動しているか確認する
最初の確認は「そもそもOllamaが動いているか」です。シンプルですが、この確認を飛ばすと後の診断すべてが無駄になります。
macOS/Linux の場合
ターミナルを開き、以下のコマンドを実行してください。
ollama list正常に起動している場合は、インストール済みのモデル一覧が表示されます。例えば:
NAME ID SIZE MODIFIED
llama2:latest c75d82f30b65 3.8 GB 2 minutes ago
mistral:latest 8f3797de41b5 4.1 GB 1 hour ago
neural-chat:latest 282e9238f2d6 4.1 GB 3 hours ago
何も表示されない場合(モデルリストが空)は、Ollamaは起動していますが、まだモデルをダウンロードしていません。後の「診断ステップ④」で対処します。
エラーが出た場合
Error: couldn't connect to running Ollama instanceこのエラーが出たら、Ollamaが起動していません。Ollama公式サイトからアプリケーションを起動するか、以下のコマンドでサーバーを手動起動してください。
ollama serve起動後、別のターミナルウィンドウで再度 ollama list を実行して確認します。
Windows の場合
Ollama for Windows をインストール済みなら、スタートメニューから「Ollama」アプリを起動してください。コマンドプロンプトまたはPowerShellで以下を実行:
ollama listPowerShellで「スクリプトの実行が無効です」というエラーが出た場合は、管理者権限で以下を実行してから再試行:
Set-ExecutionPolicy -ExecutionPolicy RemoteSigned -Scope CurrentUser診断ステップ② ポート・ファイアウォールの問題を確認する
Ollamaが起動していることが確認できたら、次はAntigravityがOllamaに接続できているかをチェックします。この段階で重要なのがポート番号とファイアウォールです。
デフォルトポート確認
Ollamaのデフォルトポートは 11434 です。Antigravityから接続する際に指定するURLは通常 http://localhost:11434 または http://127.0.0.1:11434 となります。
カスタムポートで起動している場合は、環境変数 OLLAMA_HOST で確認できます。
echo $OLLAMA_HOST何も表示されなければ、デフォルトの 11434 番ポートが使われています。
ポートが開いているか確認
接続性をテストするため、curl を使ってOllamaのAPIに直接アクセスしてみましょう。
curl http://localhost:11434/api/tagsレスポンスが返ってくれば(モデルリストのJSONが返される)、ポートは正常に開いています。
{"models":[{"name":"llama2:latest","modified_at":"2026-04-01T10:00:00.000000000Z","size":3825930240},{"name":"mistral:latest","modified_at":"2026-04-02T15:30:00.000000000Z","size":4294967296}]}エラーが返ってきた場合
Connection refused
curl: (7) Failed to connect to localhost port 11434: Connection refused
このエラーは、ポートが閉じているか、Ollamaが正常に起動していません。ステップ① を改めて確認してください。
macOS のファイアウォール確認
macOS でファイアウォール設定が有効な場合、Antigravityから localhost へのアクセスがブロックされることがあります。確認と設定は以下のとおりです。
- システム設定 → セキュリティとプライバシー → ファイアウォール
- ファイアウォール オプション をクリック
- 「認識されていないアプリケーションからの受信接続をブロック」のチェックを一時的に外す、または
- ファイアウォール例外リストに Ollama を追加
localhost への接続が許可されているか確認後、再度Antigravityから接続テストを行います。
Windows のファイアウォール確認
Windows Defender ファイアウォールの設定:
- Windowsセキュリティ → ファイアウォールとネットワーク保護
- ファイアウォールを介したアプリケーションを許可 をクリック
- 設定変更 → Ollama を許可リストに追加
または、コマンドプロンプト(管理者権限)で:
netstat -ano | findstr :11434ポートが LISTENING 状態なら、接続可能な状態です。
診断ステップ③ Antigravity のLLM接続設定を確認する
ここまでで、Ollamaが起動し、ポートが開いていることが確認できましました。次は、Antigravity 側の設定がOllamaを正しく指しているかチェックします。
環境変数での設定
Antigravityでローカルモデルを使う場合、環境変数で接続情報を指定するのが一般的です。プロジェクトのルートフォルダに .env.local ファイルを作成し、以下を記述します。
# ローカルOllama接続
NEXT_PUBLIC_LLM_PROVIDER=ollama
NEXT_PUBLIC_OLLAMA_BASE_URL=http://localhost:11434
NEXT_PUBLIC_OLLAMA_MODEL=llama2設定ファイルでの指定
プロジェクト内に antigravity.config.ts または類似の設定ファイルがある場合、LLM設定がそこに記述されていることがあります。
// antigravity.config.ts の例
export const llmConfig = {
provider: "ollama",
baseUrl: "http://localhost:11434",
model: "llama2",
temperature: 0.7,
};注意点として、ローカルLLMを使う場合は http://(非暗号化) を使います。https:// では localhost への接続がブロックされることがあります。
設定の反映確認
環境変数や設定ファイルを編集したら、開発サーバーを再起動してください。
# 開発サーバー停止(Ctrl+C)後
npm run dev
# または
yarn dev再起動後、Antigravityのコンソールやブラウザの開発者ツール(F12)でネットワークタブを確認し、Ollama への接続リクエスト(通常は /api/ollama/ のようなパス)が成功しているか(ステータス 200)確認します。
診断ステップ④ モデル名の不一致・量子化モデルの互換性を確認する
Ollamaが起動し、ポートも開いているのにまだ接続できない場合、モデル名の指定に問題がある可能性が高いです。
インストール済みモデルの確認
まず、Ollama側に何が実際にインストール(プル)されているか確認します。
ollama list出力例:
NAME ID SIZE MODIFIED
llama2:latest c75d82f30b65 3.8 GB 1 hour ago
mistral:7b-instruct a33e5e2d6b48 3.8 GB 2 hours ago
neural-chat:7b-q4 ab1c2d3e4f5g 2.1 GB 1 day ago
この一覧の NAME列 にあるモデル名が、Antigravity側で指定しているモデル名と 完全一致 している必要があります。
モデル名の典型的なミス
- Antigravity側で
mistralと指定したが、実際はmistral:7b-instructがインストール済み - モデル名に大文字を含めた(
Llama2と記述したが、正しくはllama2) - タグなしでモデル名を指定した(
:latestを付け忘れた)
Antigravity側の設定を確認し、インストール済みのモデル名に合わせてください。
# 例:llama2:latest をインストールしていない場合
ollama pull llama2:latest
# インストール中は以下のような表示が出ます
pulling manifest
pulling 6956020f9a1f
pulling 9f337f3e21e5
...
success量子化モデルの互換性
Ollamaでは、メモリ効率を高めるため、モデルを量子化(圧縮)した状態で配布されていることが多いです。例えば:
llama2:7b— フルサイズ(7B パラメータ)llama2:7b-q4_0— 量子化版(約 4GB、精度は若干低下)llama2:7b-q5_K_M— より高精度な量子化版(約 5GB)
Antigravityで指定する際、量子化の有無やレベルが一致していることを確認します。設定ファイルに mistral:7b と書いてあるのに、実は mistral:7b-q4_0 がインストール済みの場合、接続エラーが発生します。
この場合の対処は2つです:
- Ollama側で
mistral:7b(フルサイズ)をプルし、Antigravity側の設定を変更しない - Antigravity側の設定を
mistral:7b-q4_0に変更する
メモリに余裕がない場合は、量子化版の使用をお勧めします。
それでも解決しない場合の深掘り診断
ここまでのステップで解決していない場合、より詳細なログを確認する必要があります。
Ollama のログを確認する
Ollamaが実行している処理の詳細を知るには、ログを確認します。
macOS の場合、Ollama アプリから出力されるログを見るには:
# ログファイルのパス(macOS)
cat ~/.ollama/logs/server.logLinux の場合:
journalctl -u ollama -n 50ログ内に error や failed といった文字列がないか検索します。
cat ~/.ollama/logs/server.log | grep -i errorAntigravity 側のログ確認
ブラウザの開発者ツール(F12 キー) → コンソール タブを開き、赤いエラーメッセージが出ていないか確認します。
// コンソールにこのようなエラーが出ていないか確認
// Uncaught Error: Failed to fetch from http://localhost:11434
// CORS error: No 'Access-Control-Allow-Origin' header is presentCORS エラーが出ている場合
AntigravityがWebアプリケーションの場合、ブラウザのCORS(Cross-Origin Resource Sharing)セキュリティ機構により、異なるポート上のOllamaへのリクエストがブロックされることがあります。
解決法:
- Ollama側でCORS対応を有効化(環境変数で設定)
export OLLAMA_ORIGINS=*
ollama serveまたは、より限定的に:
export OLLAMA_ORIGINS=http://localhost:3000
ollama serveAntigravityが localhost:3000 で動作している場合は、こちらのように指定します。
- バックエンドプロキシを経由する
Antigravityのバックエンド API を通じてOllamaにリクエストを流すことで、CORSを回避できます。
# Antigravity バックエンド側で
const ollamaResponse = await fetch("http://localhost:11434/api/generate", {
method: "POST",
body: JSON.stringify({ model: "llama2", prompt: "..." }),
});Ollama の再起動
それでも解決しない場合は、Ollamaプロセスを完全に停止・再起動してみます。
# 既存のプロセスを停止
pkill ollama
# 少し待ってから再起動
sleep 2
ollama serve或いは、Ollama アプリケーション自体を再起動する(アプリメニューから「終了」→ 再度起動)。
キャッシュクリア・Antigravity の再インストール
多くの場合、キャッシュやNode.jsのモジュールが古い状態のままになっていることが原因です。徹底的に確認する場合は以下を実行:
# Antigravity プロジェクトディレクトリで
npm cache clean --force
rm -rf node_modules
rm -rf .next
# 再インストール
npm install
npm run devWindows の場合:
npm cache clean --force
rmdir /s node_modules
rmdir /s .next
npm install
npm run devよくあるQ&A
Q: curl コマンドが見つからないと言われます
A: curl はLinux/macOS標準装備ですが、Windowsでは WSL(Windows Subsystem for Linux)またはGit Bashを使う必要があります。GUIツール Postman を使ってもポート接続確認が可能です。
Q: モデルをプルしようとしても「ディスク容量不足」と出ます
A: Ollamaのモデルはファイルサイズが数GB〜10GB超えることがあります。ディスク容量を確認し、不要ファイルを削除するか、外部ストレージを使用してください。
ollama list --sizeQ: http://localhost:11434 で直接アクセスすると何も表示されません
A: これは正常な動作です。Ollama API は RESTful エンドポイント(例:/api/tags, /api/generate)のみを提供し、ルートパスのHTMLレスポンスはありません。curl コマンドで /api/tags にアクセスしてJSONが返ってくることを確認してください。
Q: 複数のモデルをOllamaにインストール可能ですか?
A: はい。ollama pull modelname:tag を繰り返して複数インストール可能です。ただし、各モデルのサイズ合計がディスク容量を超えないよう注意してください。Antigravity では NEXT_PUBLIC_OLLAMA_MODEL を指定することで、どのモデルを使用するか選択できます。
全体を振り返って
Antigravity でローカルLLM(Ollama)の接続エラーが発生した場合は、以下の順序で診断してください:
- ステップ① :
ollama listでOllama起動確認 - ステップ② : curl または ping でポート疎通確認、ファイアウォール設定確認
- ステップ③ : Antigravity の環境変数・設定ファイルにおいて接続情報(URL・ポート)が正しいか確認
- ステップ④ : モデル名が一致しているか、量子化レベルが対応しているか確認
- 詳細診断 : ログ確認、CORS設定、キャッシュクリア、再インストール
これらを順に実行すれば、ほぼ全てのケースで問題が解決します。それでも解決しない場合は、Antigravityの公式ドキュメントやコミュニティフォーラムで報告し、より詳細なサポートを求めることをお勧めします。