AgentKit 2.0 は、Antigravity(Google の次世代 AI 開発環境)が提供するエージェント構築フレームワークの最新バージョンです。2026年の最多クリッククエリとして「antigravity agentkit 2.0」が挙げられるほど、開発者コミュニティからの注目度は非常に高くなっています。
AgentKit 2.0 とは
AgentKit 2.0 は、Antigravity 環境内で 自律的に動作する AI エージェントを設計・構築・デプロイするためのフレームワークです。
前バージョンと比較した主な進化点は以下の通りです。16種類の特化エージェントが利用可能となり、それぞれが特定のタスク(コーディング・検索・データ分析・通知など)に最適化されています。また、Orchestrator と呼ばれる中央調整機構が追加され、複数エージェントの協調動作をよりシンプルに実装できるようになっています。
さらに、Planning モードと Fast モードという2つの実行モードが用意されており、タスクの複雑さや優先度に応じて使い分けることができます。
16種類の特化エージェント
AgentKit 2.0 が提供する特化エージェントは、それぞれ明確な役割を持っています。代表的なものをいくつか紹介します。
Code Agent(コーディングエージェント) コードの生成・レビュー・リファクタリングを担当します。Antigravity の IDE と深く統合されており、コンテキストを理解したコード提案が可能です。Claude Opus 4.6 や Gemini 2.5 Pro などの高性能モデルをバックエンドとして選択できます。
Search Agent(検索エージェント) ウェブ検索・ドキュメント検索・コードベース内検索を自律的に実行します。他のエージェントと連携して、情報収集→分析→アクションという一連のフローを自動化できます。
Data Analysis Agent(データ分析エージェント) CSVファイル・データベース・API からのデータを解析し、インサイトを抽出します。自然言語による質問に対して SQL クエリを自動生成して実行する機能も備えています。
Notification Agent(通知エージェント) 特定の条件が満たされた際に Slack・メール・Webhook などへの通知を自律的に送信します。監視・アラートシステムの構築に役立ちます。
File Agent(ファイルエージェント) ファイルシステムの操作・読み書き・変換などを担当します。ドキュメント処理パイプラインの自動化に活用できます。
これら以外にも、テスト生成・デプロイ・翻訳・画像処理・スケジューリングなどの特化エージェントが用意されており、複雑なワークフロー全体をカバーできる設計になっています。
Orchestrator の仕組みと使い方
複数のエージェントを協調させるOrchestratorは、AgentKit 2.0 の中核機能です。
Orchestrator はタスクを受け取ると、最適な特化エージェントの組み合わせを自動的に選択し、依存関係を考慮した実行順序を計画します。並列実行が可能なタスクは同時処理することで全体の処理速度を最適化します。
# AgentKit 2.0 Orchestrator の基本的な使用例
from agentkit import Orchestrator, CodeAgent, SearchAgent, DataAgent
orchestrator = Orchestrator(
agents=[CodeAgent(), SearchAgent(), DataAgent()],
model="gemini-2.5-pro", # または "claude-opus-4-6"
mode="planning"
)
result = orchestrator.run(
task="競合他社の最新 API ドキュメントを調査し、"
"自社との機能差を分析した比較レポートを作成して"
)
print(result.output)上記の例では、Orchestrator が自動的に SearchAgent でドキュメントを収集し、DataAgent で比較分析を行い、CodeAgent でレポートを整形するという流れを計画・実行します。開発者はこのフロー全体を手動で実装する必要がなくなります。
Planning モードと Fast モードの使い分け
AgentKit 2.0 の実行モードは、タスクの性質に応じて選択します。
Planning モード 複雑で多段階のタスクに適しています。Orchestrator がタスクを分解し、最適な実行計画を策定してから処理を開始します。処理時間はやや長くなりますが、出力の品質と一貫性が高まります。長期的なプロジェクト管理・複雑なデータパイプライン・精度が求められる分析タスクに向いています。
Fast モード 素早い応答が必要なタスクや、シンプルな単一ステップのタスクに適しています。計画フェーズをスキップして即座に実行するため、レイテンシが低く抑えられます。リアルタイムのコード補完・即座の情報検索・インタラクティブなチャットボットなどに向いています。
AgentKit 2.0 を使った実践的な構築手順
1. Antigravity での AgentKit 2.0 セットアップ
Antigravity IDE の拡張機能として AgentKit 2.0 プラグインをインストールします。AgentKit 2.0 は Antigravity のエージェント実行環境と統合されているため、別途インフラを用意する必要はありません。
2. エージェントの定義
プロジェクトに必要な特化エージェントを選択・設定します。各エージェントには実行するモデル・ツールへのアクセス権限・メモリ設定などを指定できます。
3. Orchestrator のワークフロー設計
複数エージェントを組み合わせる場合、Orchestrator にタスクを渡す前に大まかな実行フローを設計します。AgentKit 2.0 の Visual Flow Editor を使うと、ノードベースの GUI でワークフローを視覚的に設計できます。
4. テストと最適化
AgentKit 2.0 には組み込みのデバッグツールが含まれており、各エージェントの実行ログ・コスト・レイテンシをモニタリングできます。本番環境への投入前に、代表的なテストケースでの動作確認を行いましょう。
実際のユースケース
コードレビューの自動化 Code Agent と Test Agent を組み合わせ、プルリクエストに対するコードレビューとテスト実行を自動化します。問題が検出された場合は Notification Agent が担当者に通知します。
競合調査パイプライン Search Agent が競合他社のウェブサイト・ブログ・リリースノートを定期的に収集し、Data Analysis Agent がトレンドを分析、File Agent がレポートを生成します。週次レポートの自動生成に活用されています。
顧客サポートの自動対応 ユーザーからの問い合わせを分類し、FAQ・ドキュメント・チケット履歴を参照したうえで適切な回答を生成するエージェントシステム。複雑な問い合わせは人間にエスカレーションします。
全体を振り返って:AgentKit 2.0 でエージェント開発の新しい扉を開く
AgentKit 2.0 は、「AI エージェントを自分で作る」ということへのハードルを大幅に下げたフレームワークです。特化エージェントと Orchestrator の組み合わせにより、複雑な自動化ワークフローを少ないコードで実装できるようになっています。
これまで繰り返しの手動作業に費やしていた時間を、創造的な仕事に振り向けるための強力なツールとして、ぜひ AgentKit 2.0 を試してみてください。Antigravity Lab では、今後も AgentKit の活用事例やアップデート情報をお届けしてまいります。