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Tips & 活用術/2026-09-16初級

Upload to Agent のオーバーレイにドロップを奪われた日、ファイル操作を取り戻すまで

ウィンドウ全体を覆う Upload to Agent のオーバーレイがドロップを横取りし、ターミナルにもエクスプローラーにもファイルを落とせなくなりました。現場で見つかった回避策と、ドラッグに頼らない受け渡し経路をお伝えします。

Antigravity370ドラッグ&ドロップファイル操作ワークフロー25トラブルシューティング32

浮世絵壁紙の素材を一枚、Finder から内蔵ターミナルへ落とそうとした夕方のことでした。パスが挿入されるはずの場所に、ウィンドウいっぱいの「Upload to Agent」という文字が広がりました。

手を離すと、ファイルはターミナルではなくエージェントの会話欄に入っておりました。位置を変えても、フォルダを変えても、結果は同じでした。

最初のうち、私は自分のドラッグが雑になったのだと思い込んでおりました。落とす先を数ピクセルずつずらしては失敗し、三十分ほど溶かしております。原因は手つきではなく、ウィンドウ全体がひとつのドロップ領域になっていたことでした。

ウィンドウ全体が、ひとつのドロップ領域になっています

Google AI Developers Forum に 2026 年 2 月 26 日付で上がっている報告によれば、この挙動は v1.18.3 から始まっております。ファイルがウィンドウの枠に入った瞬間に全画面のオーバーレイが出て、そこから先のドロップイベントをすべて受け取ってしまう、という構造です。

厄介なのは、失敗しているように見えないところです。ファイルはきちんとどこかへ届きますし、エラーも出ません。届く先が自分の意図した場所ではない、というだけなのです。

実際に何が起きるかを並べてみます。

やろうとしたこと期待していた結果実際に起きること
内蔵ターミナルへ画像を落とす絶対パスが挿入される会話欄に画像が添付される
サイドバーのフォルダへ移動ファイルがそのフォルダへ移る移動されず、エージェントへ渡る
アセットの並べ替えディレクトリ構成が変わる構成は変わらないまま

公式からの返信は 3 月 1 日に付いておりまして、内容は「社内チームへエスカレーションした」「アプリ右上のフィードバックアイコンから Report Issue で報告してほしい」というものでした。その後も 5 月・6 月・7 月・8 月と「まだ直っていません」という書き込みが続き、9 月 11 日の投稿が現時点で最後です。

先に試す回避策は二つあります

フォーラムの参加者が自力で見つけた手当てが二つ出ております。どちらも公式の手順ではありませんので、効かない場合があることを前提にお読みください。

ひとつめは、エージェント欄の三点メニューから Customization を開く方法です。パネルを開いたあと、エクスプローラーへのドラッグが通るようになります。2026 年 7 月 26 日に投稿されてから、8 月・9 月と複数の方が追試しておりまして、「Customization を開いたあとはエージェント欄を閉じてもドラッグできた」という報告もあります。

ふたつめは、コマンドパレットからのウィンドウ再読み込みです。macOS なら Cmd + Shift + P、Windows と Linux なら Ctrl + Shift + P でパレットを開き、Developer: Reload Window を実行します。オーバーレイが出たまま操作を受け付けなくなった状態には、こちらのほうが速く効きます。

順番としては、まず Customization を開いて様子を見て、それでも改善しなければ再読み込み、という流れが手戻りが少ないように感じております。

ドラッグに頼らない経路を、先に三つ用意しておきます

回避策が見つかって安心したのですが、しばらく使ううちに考えが変わりました。次の更新で回避策のほうが効かなくなれば、また同じ夕方を繰り返すことになります。

ドラッグは近道であって、経路ではありません。 近道が塞がっても手が止まらないように、パスを渡す手段を別に持っておく、という線引きにいたしました。

ひとつめは、OS 側の機能です。macOS の Finder ではファイルを選んで Cmd + Option + C を押すと、絶対パスが文字列としてクリップボードに入ります。Windows のエクスプローラーでは Shift を押しながら右クリックして「パスのコピー」を選びます。ターミナルに貼り付ければ、ドラッグと同じ結果になります。

ふたつめは、エディタ内のコマンドです。エクスプローラーでファイルを右クリックすると Copy Path と Copy Relative Path が並んでおります。使う頻度が高ければ、キーバインドを自分の手に寄せておくと楽になります。コマンドパレットで Preferences: Open Keyboard Shortcuts (JSON) を開き、次の 1 件を足します。

// keybindings.json — エクスプローラーに焦点があるときだけ相対パスをコピーします
[
  {
    "key": "cmd+alt+shift+c",
    "command": "copyRelativeFilePath",
    "when": "explorerViewletVisible && filesExplorerFocus"
  }
]

when を付けているのは、エディタ本体で同じキーを押したときに誤って発火させないためです。Windows と Linux では "key"ctrl+alt+shift+c に読み替えます。

みっつめは、シェル側の小さな関数です。私自身は素材フォルダからパスを拾う頻度が高いので、相対パスを絶対パスに直しながらクリップボードへ送る関数を .zshrc に置いております。

# ~/.zshrc — ドラッグの代わりに、パスを手元へ引き寄せます
# 使い方: agpath ./assets/hero.png
agpath() {
  local target="${1:-.}" dir base abs
  dir="$(cd "$(dirname -- "$target")" 2>/dev/null && pwd)" || {
    printf 'directory not found: %s\n' "$target" >&2
    return 1
  }
  base="$(basename -- "$target")"
  abs="${dir%/}/${base}"
  [ -e "$abs" ] || { printf 'not found: %s\n' "$abs" >&2; return 1; }
  printf '%s' "$abs" | pbcopy          # Linux では pbcopy を xclip -selection clipboard に
  printf '%s\n' "$abs"
}

期待する出力は次のとおりです。標準出力に出た文字列が、そのままクリップボードにも入っております。

$ agpath ./assets/ukiyoe/hokusai-0421.png
/Users/you/projects/wallpapers/assets/ukiyoe/hokusai-0421.png

dirnamebasename-- を付けているのは、ハイフンで始まるファイル名をオプションとして読まれないようにするためです。cd の失敗を握りつぶさずに return 1 で抜けているのも同じ理由で、存在しないパスを無言でクリップボードへ送ってしまうと、あとから原因を追いにくくなります。

なお、空白を含むパスはここから先でも落とし穴として残ります。私はエージェントに渡したコマンドが「0 件・成功」を返して半日悩んだことがありまして、その顛末はパスの空白ひとつで、エージェントのコマンド9形が「0件・成功」を返しましたに書き残しております。

半年直っていない不具合と、どう付き合うか

最初の報告が 2 月で、9 月の時点でまだ同じ症状が続いております。この長さは、待つ以外の構えが要るという合図なのだと思います。

私が決めているのは三つです。ひとつ、回避策が効いた版番号を控えること。ふたつ、アプリ内のフィードバックから一度は報告しておくこと。みっつ、手順をリポジトリの docs/ に一行だけ残すこと。

三つめは、個人開発でも効きます。半年前の自分が見つけた手当てを、半年後の自分は覚えておりません。「Customization を開くとドラッグが通る(2.13.0 で確認)」と一行あるだけで、同じ三十分を二度払わずに済みます。

ウィンドウが操作を受け付けなくなる症状は、このオーバーレイ以外の原因でも起こります。再読み込みで戻らないときは、Antigravity の動作が遅い・フリーズする時の完全対処法のほうの切り分けが当たるかもしれません。

今日のうちに確かめていただきたいこと

お使いの Antigravity を開いて、エージェント欄の三点メニューから Customization を一度開き、テキストファイルを一枚、エクスプローラーのフォルダへドラッグしてみてください。通ったなら、そのときの版番号をどこかに一行控えておいていただければと思います——次に通らなくなった日に、その一行が出発点になります。

内蔵ターミナルでの受け渡しそのものを見直したい方は、Antigravity 2.10.0 の埋め込みターミナルで、エージェントの変更を検証するループを組むも合わせてご覧ください。

一次情報は Google AI Developers Forum のGlobal Upload to Agent dropzone overlay prevents drag-and-drop file management in terminal and file explorerです。私の環境で再現した範囲を書きましたので、違う挙動に当たった方がいらっしゃいましたら、そちらのスレッドに条件を足していただけると後続の方が助かります。お読みいただきありがとうございました。

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