ANTIGRAVITY LABEN
記事一覧/Tips & 活用術
Tips & 活用術/2026-04-10中級

Antigravity Planning Mode vs Fast Mode:使い分けで開発速度を最大化する方法

AntигравитиのPlanning ModeとFast Modeの違いを徹底解説。どのタスクでどちらを使うべきか、コストと速度のトレードオフを理解して開発効率を最大化する実践的なガイドです。

antigravity436planning-mode2fast-mode3performance8workflow37tips37

Antigravityを使い始めると多くの開発者が直面する疑問があります。「Planning ModeとFast Mode、どちらを使えばいいの?」

この選択は単なる速度の問題ではありません。コスト、精度、タスクの性質によって最適な選択は変わります。ここでは両モードの仕組みを理解した上で、実践的な使い分けのルールを解説します。

Planning Mode と Fast Mode の根本的な違い

Antigravityの2つのモードは、内部でどのAIモデルを使うかが異なります。

**Planning Mode(計画モード)**はGemini 2.5 Pro(またはClaude Opus 4.6)を使用します。複雑な問題を多段階で推論し、実行前に「計画」を立ててから作業を行います。

**Fast Mode(高速モード)**はGemini 2.5 Flash(またはClaude Haiku 4.5)を使用します。推論を最小限に抑えて高速に応答します。

Planning Mode
─────────────────────────────────────────────
入力 → 問題分析 → 計画立案 → 実行 → 検証
           ↑複数ステップの推論
           ↑コンテキスト全体の理解
           ↑副作用の予測

Fast Mode
─────────────────────────────────────────────
入力 → 直接実行
      (推論を省略して高速応答)

実際の速度・コスト・品質の目安は次の通りです。

指標          Planning Mode    Fast Mode
─────────────────────────────────────────
応答速度       5〜15秒          0.5〜3秒
APIコスト      ★★★★★           ★★
精度(複雑)   ★★★★★           ★★★
精度(単純)   ★★★★            ★★★★★

Planning Mode が向いているタスク

Planning Modeの真価が発揮されるのは「考えてから行動する必要があるタスク」です。

1. 新機能の設計・実装

# Planning Mode を使うべき場面の例
「ユーザー認証システムを実装して。
要件:
- JWT + Refresh Token
- ソーシャルログイン(Google・GitHub)
- レート制限
- 監査ログ」

# Planning Modeが行うこと:
# 1. 要件を分析して依存関係を整理
# 2. ファイル構成を設計
# 3. 実装順序を決定(認証基盤 → JWT → ソーシャル → 制限)
# 4. 各ステップを順番に実装
# 5. 統合テストを追加

2. 大規模リファクタリング

複数ファイルにまたがる変更は Planning Mode が明確に有利です。

# この種のリファクタリングは Planning Mode を使う
antigravity --mode=planning \
  "src/ 以下の全てのAPIクライアントコードを
   fetch() から axios に移行して。
   エラーハンドリングパターンも統一すること"
 
# Planning Mode は:
# - まず全ファイルをスキャン
# - 影響範囲を分析
# - 変更計画を作成
# - バッチで安全に変更
# - テストを実行して確認

3. バグの原因調査(根本原因分析)

# 症状だけを伝えてPlanning Modeに任せる
「本番環境でユーザーがログインできないという報告がある。
エラーログ: [JWT_INVALID_SIGNATURE at /api/auth/verify]
原因を調査して修正して」

# Planning Modeが行うこと:
# 1. エラーログのパターンを分析
# 2. 関連するコードを追跡
# 3. 環境変数・設定ファイルを確認
# 4. 仮説を立てて検証
# 5. 最小限の修正を提案

Fast Mode が向いているタスク

Fast Modeは「答えが明確で、考える必要がないタスク」で輝きます。

1. 繰り返しの定型作業

# Fast Mode で一括処理
# "このファイルの全ての console.log を logger.debug に置換して"
# → Fast Mode が即座に実行(考える必要なし)
 
# 変換前
console.log("User logged in:", userId);
console.log("Request received:", req.method, req.path);
 
# 変換後(Fast Modeが瞬時に処理)
logger.debug("User logged in:", userId);
logger.debug("Request received:", req.method, req.path);

2. コードフォーマット・Lint修正

# Fast Mode 向けタスク
antigravity --mode=fast "ESLint エラーを全て修正して"
antigravity --mode=fast "TypeScriptのimportを整理して"
antigravity --mode=fast "コードのインデントを統一して"

3. テストの自動補完

既存の関数に対して機械的にテストを追加する場合はFast Modeで十分です。

// Fast Mode: "この関数のユニットテストを書いて"
function add(a: number, b: number): number {
  return a + b;
}
 
// Fast Modeが即座に生成:
describe("add", () => {
  it("正の数を足す", () => {
    expect(add(1, 2)).toBe(3);
  });
  it("負の数を足す", () => {
    expect(add(-1, -2)).toBe(-3);
  });
  it("ゼロを足す", () => {
    expect(add(0, 5)).toBe(5);
  });
});

4. ドキュメント・コメントの追加

# Fast Mode で高速生成
antigravity --mode=fast "src/utils/ 以下の全関数にJSDocコメントを追加して"

設定ファイルでのデフォルトモード設定

毎回モードを指定するのが面倒な場合、AGENTS.md でタスクタイプ別のデフォルトを設定できます。

# AGENTS.md
 
## Antigravity Configuration
 
### Default Mode Settings
 
- **New feature development**: Always use Planning Mode
  - Reason: Architecture decisions require careful consideration
 
- **Bug fixes**: Planning Mode for unknown bugs, Fast Mode for obvious typos/formatting
 
- **Refactoring**: Planning Mode for multi-file changes, Fast Mode for single-file
 
- **Test generation**: Fast Mode (mechanical task)
 
- **Documentation**: Fast Mode (straightforward generation)
 
### Cost Management
 
- Daily Planning Mode budget: 50 requests
- Fast Mode: Unlimited
- Alert when Planning Mode requests exceed 30/day

リアルタイムでのモード切り替え

作業中にモードを切り替える実践的なパターンです。

# 最初はPlanning Modeで設計
antigravity --mode=planning "EC サイトのカート機能を設計して実装して"
# → Planning Modeが設計を作成
 
# 設計が決まったらFast Modeで細部を詰める
antigravity --mode=fast "カートコンポーネントにloadingスタイルを追加して"
antigravity --mode=fast "エラーメッセージを日本語に翻訳して"

コストを意識した現実的なワークフロー

チームで使う場合のコスト管理戦略です。

Antigravity の使い方と料金 でも解説していますが、Planning Modeは Fast Mode の約5〜10倍のコストがかかります。

# コスト試算(参考)
tasks_per_day = {
    "planning_mode": 20,   # 設計・バグ調査・複雑な実装
    "fast_mode": 100       # フォーマット・テスト・ドキュメント
}
 
# 月次コスト(概算)
planning_cost = 20 * 22 * 0.05  # $22/月(仮定単価)
fast_cost = 100 * 22 * 0.005    # $11/月(仮定単価)
total = planning_cost + fast_cost  # $33/月

AgentKit 2.0 の実践ガイド と組み合わせて、Planning Modeを「オーケストレーター」として使い、実際の作業はFast Modeのサブエージェントに任せるアーキテクチャも効果的です。

よくある失敗パターンと解決策

❌ 失敗: 全てのタスクにPlanning Modeを使う
→ 問題: コストが膨らみ、単純なタスクでも遅い
→ 解決: Fast Modeで問題ない単純作業を分類して使い分ける

❌ 失敗: 全てのタスクにFast Modeを使う
→ 問題: 複雑なリファクタリングで一貫性のない変更が生まれる
→ 解決: 複数ファイルにまたがる変更は必ずPlanning Modeを使う

❌ 失敗: バグ調査にFast Modeを使う
→ 問題: 表面的な修正しか行われず根本原因が残る
→ 解決: 原因不明のバグは必ずPlanning Modeで調査する

全体を振り返って

Planning ModeとFast Modeの使い分けは、Antigravityを効率的に活用するための最も重要なスキルの一つです。

シンプルなルールとしては「複数ファイルにまたがる・原因が不明・設計が必要なタスク」はPlanning Mode、「単一ファイル・答えが明確・繰り返し作業」はFast Modeと覚えてください。

このルールを意識するだけで、コストを抑えながら開発速度を大幅に向上させることができます。

個人開発12年の現場で実感したこと

線引きするときの3つの判断軸

  • 失敗時の影響が金銭やユーザー体験にどれだけ波及するか
  • 復旧オペレーションが明文化されているか
  • 観測ログから人間が再現できる粒度に整っているか
シェア

お読みいただきありがとうございます

Antigravity Lab は広告なしで運営しており、サーバー費用などの運営コストはメンバーシップのご支援で賄っています。実装コード・ベンチマーク・本番設計パターンなど、実務でお役立ていただける記事を毎日更新しています。もし読んでよかったと感じていただけましたら、ぜひご覧ください。

  • コピー&ペーストで使える実装コード付き
  • 毎日新しい上級ガイドを追加
  • ¥580/月 または ¥1,480 の永久アクセス
メンバーシップを見る →

もしこの記事がお役に立ちましたら、チップ(¥150)で応援いただけると大変励みになります。広告なしでの運営を続けるため、皆さまのご支援が大きな力になっています。

関連記事

Tips & 活用術2026-03-30
Antigravity Planning Mode vs Fast Mode 徹底比較:プロジェクト規模別の最適な使い分け
AntigravityのPlanning ModeとFast Modeの違いを徹底比較。新機能、実行フロー、使い分けのポイントを解説します。
Tips & 活用術2026-04-29
AGENTS.md は週1の失敗ログレビューで磨き続ける — Antigravity を賢くしていく運用ループ
AGENTS.md は書いて終わりではありません。週1で失敗ログを振り返りながら少しずつ書き換えていく運用方法を、実例とテンプレート付きで紹介します。
Tips & 活用術2026-04-04
Antigravity AI開発ワークフロー高速化 実践ガイド — コンテキスト管理・タスク分解・並列処理の実践テクニック集
Antigravityを使った開発速度を根本から底上げする実践テクニック集。コンテキスト管理・タスク分解・Planning/Fastモードの使い分け・並列処理まで、プロが実践するワークフロー最適化の全手法を体系的に解説します。
📚RECOMMENDED BOOKS
大規模言語モデル入門
山田育矢
LLM開発
生成AIプロンプトエンジニアリング入門
我妻幸長
プロンプト
Claude CodeによるAI駆動開発入門
平川知秀
AI駆動開発
※ アフィリエイトリンクを含みます
もっと見る →