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Editor View/2026-06-29上級

Antigravity に添付した長い PDF をエージェントが読み飛ばす問題と、引用を強制する検証ゲート

Antigravity に添付した長い PDF を、エージェントが自信ありげに、しかし一部読み飛ばして答える問題への対処です。引用を強制するプロンプトと、回答の根拠がPDFに実在するかを検証するゲートを、動くコードで紹介します。

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先日、個人開発で運営している壁紙アプリ(Beautiful HD Wallpapers)の審査準備をしていたとき、ストアのガイドライン PDF(40 ページ超)を Antigravity に添付して「課金まわりで引っかかりそうな項目を挙げてください」と頼みました。返ってきた答えはもっともらしく、実際に有用でした。ところが後半のサブスクリプション表記に関する条項が一つ、すっぽり抜け落ちていたのです。エージェントは「全部読んだ」かのような口調で答えるので、抜けに気づくまで私自身しばらく信じてしまいました。

この「長い PDF を添付すると、自信ありげに、しかし一部を読み飛ばす」挙動は、添付機能そのものの欠陥というより、長い文脈をどう渡すかという設計の問題です。ここでは、なぜ薄まるのかを整理したうえで、回答の根拠を必ず提示させ、その根拠が PDF に実在するかを検証するところまでを、動くコードでつくっていきます。

なぜ長い PDF は文脈の中で薄まるのか

PDF を丸ごと添付すると、その全文がモデルの文脈に流し込まれます。文脈に入っていれば「読める」のは確かですが、「読める」ことと「答えるときに参照する」ことは別です。長い文書では、注意が全体に分散し、冒頭と末尾は拾われやすい一方で、中盤の細かい条項ほど取りこぼされやすくなります。私自身の体感でも、抜けるのは決まって中盤の、短くて目立たない一文でした。

もう一つの落とし穴は、PDF のテキストレイヤーの質です。段組みや表が多いストア系の PDF では、抽出されたテキストの語順が崩れていることがあります。人間が見れば自然な表でも、抽出後は項目とその条件がばらばらの行に散ってしまい、エージェントが条項と例外を正しく結びつけられなくなります。

つまり対処すべきは二点です。第一に、参照すべき範囲を絞って渡すこと。第二に、エージェントが「どこを根拠にしたか」を必ず明示させ、それを検証することです。順に見ていきます。

まず「どこを根拠にしたか」を必ず言わせる

最初に効くのは、回答の形式を縛ることです。自由記述で答えさせると、根拠を示さずに要約だけが返ってきます。代わりに、結論の前に「ページ番号」と「原文の引用」を構造化して出させます。

あなたは添付したPDFのみを根拠に回答します。一般知識で補わないでください。

各指摘について、必ず次の順序で出力してください:
1. page: 根拠となったページ番号(PDFの通しページ)
2. quote: そのページからの原文引用(20〜60字、改変しない)
3. finding: 引用から導かれる、私のアプリへの具体的な影響

PDF内に根拠が見つからない項目は「該当箇所なし」と明記し、推測で補わないでください。
最後に、確認したページ番号の一覧を出力してください。

ポイントは「PDF のみを根拠に」「一般知識で補わない」と明示することです。モデルは添付がなくてもストアの一般論を語れてしまうため、これを禁じないと、PDF を読まずに常識で答えてしまいます。引用を 20〜60 字に限定しているのは、長すぎる引用は検証時に揺れやすく、短すぎると一意に特定できないためです。

この時点ですでに、抜けに気づきやすくなります。「確認したページ番号の一覧」が前半に偏っていれば、中盤を読み飛ばしているサインです。とはいえ、引用そのものが正しいかは人間が一つずつ照合するしかありません。そこを機械化します。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

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この記事で得られること
長いPDFを添付したのにエージェントが一部を読み飛ばす理由がわかり、文脈の薄まりを構造的に抑えられるようになる
回答の前に必ず「ページと引用」を出させ、その引用がPDFに実在するかを機械的に検証するゲートを自分の作業に組み込める
ストア審査やスペック確認のように、取りこぼしが致命的になる場面で、エージェントの回答を安心して採用できる判断基準を持てる
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