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▣ アプリ開発/2026-06-30上級

Xcode 27 のエージェント機能と Antigravity を併用する — iOS 開発の作業境界を設計する

Xcode 27 がエージェント型コーディングを取り込んだことで、iOS 開発はツールが二つ重なる状態になりました。source of truth を一つに保ち、仕様・実装・検証の3層で作業を分けるための実践的な設計をまとめます。

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✦ プレミアム記事

Xcode 27 の開発者ベータが公開され、エージェント型コーディングが Xcode 本体に取り込まれました。外部の優れたモデルやエージェントを開発フローへ直接持ち込める方向の更新です。歓迎すべき変化ですが、すでに Antigravity でエージェントを回している身からすると、最初に困るのは機能そのものではありません。「同じリポジトリに、コードを書けるエージェントが二つ並んだ」という状態の整理です。

片方は Xcode の中で、ビルドと実機デバッグに密着して動きます。もう片方は Antigravity の CLI や IDE で、複数ファイルを横断する作業や定常運用の自動化を引き受けます。境界を決めないまま両方を走らせると、同じファイルを別々のエージェントが書き換え、どちらの変更が正なのか分からなくなります。二つのエージェント型ツールをまたいで iOS を開発するとき、私がどう作業境界を設計しているかを、個人開発の現場目線で具体的にお伝えします。

なぜ「どちらに任せるか」が事故になるのか

エージェントが一つだけなら、source of truth は迷いません。書いたエージェントの最新状態が正です。ところが書き手が二つになると、正の定義が暗黙のうちに二重化します。

典型的な事故は三つあります。ひとつは二重編集です。Xcode 側のエージェントが ContentView.swift を整え、同時刻に Antigravity がリファクタで同じファイルへ触れ、保存の順序でどちらかの変更が消えます。ふたつめは前提のずれです。Xcode 側はビルドの通る状態を、Antigravity 側はテストの通る状態を、それぞれ「完了」と見なし、片方の基準だけ満たした中途半端なコミットが生まれます。みっつめは観測の分断です。どちらが何を変えたかが別々のログに散らばり、不具合の原因を後から追えなくなります。

これらはツールの優劣の問題ではありません。境界を設計していないことの問題です。先に決めるべきは「どちらが賢いか」ではなく、「何を一つの正とし、誰がそこに書き込んでよいか」です。

source of truth はリポジトリに一本化する

私が最初に固定するのは、正はリポジトリの作業ツリーだけ、という原則です。Xcode のエージェントも Antigravity も、編集対象は同じ Git 管理下のファイルに限定し、ツール内部の一時的な状態を正とはみなしません。当たり前に聞こえますが、エージェントは便利さのあまり、ツール固有のセッションや下書きにコンテキストを溜めがちです。そこを正にすると、別のツールから見えない情報が増えていきます。

そのうえで、両方のエージェントが起動時に必ず読む共通の規約を AGENTS.md としてリポジトリ直下に置きます。Antigravity はこの種のファイルをコンテキストとして拾いますし、Xcode 側のエージェントにも作業開始時に読ませることで、判断の前提を揃えられます。

# AGENTS.md — このリポジトリでエージェントが守る規約
 
## source of truth
- 正はこの Git 作業ツリーのみ。ツール内の下書き状態を正にしない。
- 完了の定義: `scripts/verify.sh` が exit 0 を返すこと。ビルドだけ/テストだけの「完了」は認めない。
 
## 担当境界
- UI プレビュー連動・実機デバッグ密着の修正 → Xcode 側のエージェント
- 複数ファイル横断のリファクタ・定常運用の自動化・CI 連携 → Antigravity
- 同一ファイルへ両者が同時に触れる作業は禁止。先にブランチを分ける。
 
## コミット規約
- 1 コミット 1 関心事。件名に担当を明記する: [xcode] / [agy]
- 検証を通していないコミットは push しない。

AGENTS.md は飾りではありません。後述する共通検証スクリプトの存在と、担当境界の明文化が、二つのエージェントを一つの規律の下に置くための芯になります。

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✦Xcode 側のエージェントと Antigravity を併用する際、source of truth を一つに保つための AGENTS.md と運用規約の作り方
✦仕様・実装・検証の3層で作業を分け、どちらのツールに何を任せるかを決める判断基準
✦どちらが書いたコードも同じ品質ゲートを通すための共通検証スクリプトと、二重編集による事故を防ぐ運用
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