Antigravity vs Claude Code vs Gemini CLI — 2026年3月版比較
AI コーディングツールの選択肢が増え続ける2026年。その中でも特に注目度の高い3つのツール、Google の Antigravity IDE、Anthropic の Claude Code、Google の Gemini CLI を比較します。
3つのツールはそれぞれ異なるアプローチで AI 支援開発を実現しており、「どれが一番良いか」ではなく「どれが自分のワークフローに合うか」が選択のポイントです。
基本アプローチの違い
Antigravity
Antigravity は、Google が開発した フルスタックの AI IDE です。VS Code をベースにしたエディタに、Gemini ベースのエージェントが統合されています。エディタ内で直接 AI とやり取りし、コード編集、ターミナル実行、デバッグまでをワンストップで行えます。
Agent Manager 機能により、複数のエージェントを並列で動かすマルチエージェント構成も可能です。
Claude Code
Claude Code は、Anthropic が開発した ターミナルベースの AI コーディングツール です。既存のエディタ(VS Code、JetBrains、Vim など)と併用し、ターミナルから Claude を呼び出してコーディングタスクを委譲します。
2026年3月時点での最新機能として、HTTP Hooks によるエージェント監視・制御、/loop コマンドによる定期実行、ボイスモード、100万トークンのコンテキストウィンドウがあります。
Gemini CLI
Gemini CLI は、Google が開発した コマンドラインの Gemini インターフェース です。ターミナルから Gemini を直接呼び出し、コード生成やファイル操作を行います。Antigravity とは兄弟関係にあり、同じ Gemini モデルを使いますが、IDE ではなく CLI に特化しています。
モデルの比較
Antigravity は Gemini 3.1 Pro をデフォルトモデルとして使用します。ARC-AGI-2 で77.1%を達成した推論力と、100万トークンのコンテキスト、65Kトークンの出力が強みです。
Claude Code は Claude Opus 4.6 をデフォルトで使用し、Sonnet 4.6 や Haiku 4.5 に切り替えることもできます。Opus 4.6 はエージェンティックコーディング、ツール使用、コンピュータ操作のベンチマークでトップクラスの性能を持っています。
Gemini CLI も Gemini 3.1 Pro を使用します。Antigravity と同じモデルですが、CLI という制約の中での使い方が異なります。
機能比較
エージェント機能
Antigravity は Agent Manager による本格的なマルチエージェント構成をサポートしています。各エージェントが独立したターミナルで動作し、視覚的にエージェントの状態を把握できます。
Claude Code もサブエージェント、バックグラウンドタスク、エージェントチームをサポートしています。ターミナルベースなので視覚性は劣りますが、/agents コマンドでカスタムエージェントを定義し、柔軟に構成できます。
Gemini CLI のエージェント機能は比較的シンプルで、Plan モード(調査・計画のみ)と通常モード(実行あり)の切り替えが主な機能です。
カスタマイズ
Antigravity は AGENTS.md / GEMINI.md でプロジェクト固有のルールを定義できます。MCP サーバーとの連携、skills.sh によるスキル追加も可能です。
Claude Code は CLAUDE.md でプロジェクトルールを定義し、Hooks(コマンドフック / HTTP Hooks)でライフサイクルイベントをカスタマイズできます。MCP サーバー、スキル、プラグインと、カスタマイズの選択肢が最も豊富です。
Gemini CLI は設定ファイルによるカスタマイズが可能ですが、フックやプラグインの仕組みは Antigravity や Claude Code ほど発展していません。
料金
Antigravity は無料で利用できます。Gemini 3.1 Pro を含む最新モデルが追加料金なしで使えるのは大きな魅力です。ただし、API のレート制限は Google アカウントのプランによって異なります。
Claude Code は Anthropic の API を使用するため、従量課金です。Claude Max プラン(月額$100 または $200)に加入していれば、Claude Code も利用枠に含まれます。
Gemini CLI も Gemini API を使用しますが、Google AI Studio の無料枠でも利用可能です。
対応エコシステム
Antigravity は Google のエコシステム(Firebase、Cloud Run、Vertex AI、Android Studio)との親和性が高いです。iOS 開発も Xcode との併用で対応できます。
Claude Code はプラットフォーム非依存で、あらゆる言語・フレームワーク・クラウドプロバイダに対応します。特に AWS、Cloudflare、Vercel との連携が充実しています。
Gemini CLI は Antigravity と同じく Google エコシステムとの親和性が高いですが、CLI の性質上、どんなプロジェクトにも組み込みやすいです。
どのツールを選ぶべきか
Antigravity を選ぶべきケース
GUI ベースの IDE で AI 支援を受けたい人。Visual Studio Code に慣れていて、エディタ内で完結したい人。Google のエコシステム(Firebase、GCP など)を主に使っている人。マルチエージェント構成を視覚的に管理したい人。無料で本格的な AI コーディングを始めたい人。
Claude Code を選ぶべきケース
ターミナル中心のワークフローの人。既存のエディタ(Vim、Emacs、JetBrains など)を変えたくない人。HTTP Hooks やスキルを使った高度なカスタマイズが必要な人。Anthropic のモデル(Opus 4.6)の性能を最大限活用したい人。CI/CD パイプラインに AI を組み込みたい人。
Gemini CLI を選ぶべきケース
軽量な CLI ツールで AI を使いたい人。Antigravity ほどの GUI は不要だが、Gemini モデルを使いたい人。シェルスクリプトやパイプラインに Gemini を組み込みたい人。
併用という選択肢
実は、これらのツールは排他的ではありません。同じプロジェクトで Antigravity と Claude Code を併用している開発者は少なくありません。
例えば、日常的なコーディングは Antigravity で行い、大規模なリファクタリングや複雑なデバッグは Claude Code で行う、というワークフローです。各ツールの AGENTS.md / CLAUDE.md をプロジェクトに配置しておけば、どちらのツールを使ってもプロジェクトのルールが適用されます。
全体を振り返って
2026年3月時点で、Antigravity は GUI 統合と無料利用の点で魅力的、Claude Code はカスタマイズ性とエージェント機能の深さで優位、Gemini CLI はシンプルさと Google エコシステムとの親和性が強みです。
自分の開発スタイルとプロジェクトの要件に合わせて選ぶか、あるいは併用を検討してみてください。