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Antigravity 基本/2026-07-02上級

並列エージェントは生成物も並列に増える — 中間生成物の寿命と掃除の設計

worktree・スクリーンショット・一時ブランチなど、並列エージェントが残す中間生成物に寿命を定義し、未コミット作業を守りながら自動で掃除する設計を実測値とともに紹介します。

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Antigravity 2.0 で複数のエージェントを並列に走らせるようになってから、ある朝ディスクの残量警告で目が覚めました。調べてみると、犯人はアプリでもモデルキャッシュでもなく、エージェントたちが残していった中間生成物でした。検証用の worktree が11個、ブラウザ検証のスクリーンショットと録画が数千枚、マージ済みの一時ブランチが80本以上。

並列化はタスクの完了を速くしますが、生成物が増える速度も並列になります。1本のエージェントなら気にならなかった「後片付けの先送り」が、並列度を上げた途端に運用問題として顕在化する。これが私自身の学びでした。

消すのは怖い、でも溜めると破綻する。この間を取るために、生成物に寿命を定義して掃除を自動化した設計を書き残します。なお実行ログの保持と圧縮は性質が異なるため、無人エージェントの実行ログを、ディスクを溢れさせずに後から追える形で残す に分けてあります。本稿はログ以外のすべて、つまり作業の副産物が対象です。

まず棚卸し — 何が、どこに、なぜ残るのか

掃除の設計は削除スクリプトからではなく、棚卸しから始めるのが結局早いです。私の環境で並列エージェントが残す生成物は6種類に整理できました。

生成物生成元寿命削除条件
検証用 worktree並列タスクの分離実行7日ブランチがマージ済み かつ 未コミット変更なし
一時ブランチエージェントの試行錯誤14日マージ済み、または最終コミットから14日経過かつ未参照
スクリーンショット・録画ブラウザ検証・視覚回帰3日紐づくランが成功終了している
ビルド成果物検証ビルド2日無条件(再生成可能)
ダウンロード素材調査タスクの参照資料30日最終アクセスから30日
失敗ランの作業残骸異常終了したタスク14日ポストモーテム記録が閉じている

この表で大切なのは寿命の数字そのものではなく、「削除条件」の列に再生成できるかどうかと参照が残っているかどうかの2軸しか出てこないことです。再生成可能なものは短命に、人の判断が絡むものは条件付きに。数字は各自の環境で調整して構いません。

安全ガード — 消してよいの判定を疑い深くする

自動削除で一度でも作業を失うと、チームであれ個人であれ、掃除の仕組みそのものが信用を失って手動運用に逆戻りします。だからガードは過剰なくらいでちょうどよいと考えています。私は次の3つを置くことをお勧めします。

  1. 未コミット変更のある worktree には触れない
  2. 実行中のエージェントが使っている作業ディレクトリを除外する
  3. 削除は必ず隔離を挟んだ2段階にする

第一のガードは、dirty 判定を疑い深く行うことから始まります。

is_dirty() {
  local wt="$1"
  # 未コミット変更・未追跡ファイル・stash のどれかがあれば dirty
  [ -n "$(git -C "$wt" status --porcelain 2>/dev/null)" ] && return 0
  [ -n "$(git -C "$wt" stash list 2>/dev/null)" ] && return 0
  return 1
}

第二のガードは実行中ディレクトリの除外です。各ランは開始時に自分の作業パスをロックファイルに書き、終了時に消します。掃除側はロックの存在だけを見ます。

is_in_use() {
  local path="$1"
  grep -qsF "$path" "$HOME/.agent-runs/active/"*.lock 2>/dev/null
}

第三のガードが2段階削除です。1段階目は隔離ディレクトリへの移動で、実際の削除は7日後の次回実行時です。「消えた」と思ったものが翌日必要になった場合の保険で、私はこの隔離から実際に2回救出しています。

quarantine() {
  local target="$1"
  local dest="$HOME/.agent-trash/$(date +%Y-%m-%d)"
  mkdir -p "$dest"
  mv "$target" "$dest/" && echo "quarantined: $target"
}
# 7日より古い隔離フォルダだけを本削除
find "$HOME/.agent-trash" -maxdepth 1 -type d -mtime +7 -exec rm -rf {} +

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この記事で得られること
生成物を6種類に棚卸しし、それぞれに寿命と削除条件を割り当てた対応表
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導入初回で約41GBを回収し、以後3ヶ月間を削除事故ゼロで運用した記録
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