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Agents & Manager/2026-06-28中級

頼んでいないことまでやられた — エージェントのタスク範囲を契約で縛る

ボタンの色を直すだけの依頼にリファクタやリネームまで付いてくる問題を、権限ではなく範囲の事故と捉え直しました。タスク範囲契約の書き方、範囲を越えたときの挙動の決め方、ヘッドレス実行への載せ方、逸脱を差分で自動的に拾う方法を順序立てて説明します。

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「ボタンの色を直してください」と頼んだだけのつもりでした。返ってきた変更には、色の修正に加えて、近くの関数のリファクタ、変数のリネーム、ついでの依存バージョン更新まで入っていました。どれも善意で、しかも動きます。ですが、私が見たかったのは一行の色の変更だけで、残りはレビューを膨らませ、意図しない差分を紛れ込ませる種になりました。

個人開発で複数のアプリを回していると、この「気を利かせすぎ」は地味に効いてきます。一回ごとは小さくても、積み重なると、どの変更を自分が意図したのか分からなくなる。ここで縛りたいのは権限ではありません。書き込み権はあってよいのです。縛りたいのは、頼んだ範囲を超えて動くことです。

これは権限ではなく「範囲」の問題

エージェントの暴走対策というと、まず権限(permission)の話になりがちです。何に書き込めるか、何を実行できるか。それも大切ですが、今回の問題は別の層にあります。色を直す権限はあってよい。問題は、色を直すついでに別のことまでやってしまうこと。つまりタスクの範囲を超えて気を利かせることです。

権限で縛ると、できることが減ります。範囲で縛ると、できることは変えずに「今回やってよいこと」だけを限定できます。私が欲しいのは後者でした。

権限層が固まっても、範囲の事故は残る

この区別は、抽象論ではなく実装の話です。2026年7月16日の Antigravity CLI 1.1.3 で、権限層の穴が二つ塞がれました。

一つは、ヘッドレス実行(-p)の挙動です。確認が必要なツールに当たると、そこで固まってしまうか、あるいは黙って自動承認してしまう、という二択でした。修正後はソフト拒否になり、許可に必要な allow ルール名が stderr に出ます。もう一つは always-proceed モードで、ワークスペース外へのファイル書き込みが誤って自動承認されていた問題です。

夜間に自動でタスクを回している身としては、後者はひやりとしました。ワークスペースの外に書けてしまう自動承認は、権限層のバグとして正しく修正されるべきものです。

けれど、直ったあとで自分の「ボタンの色」問題を見返すと、一つも解決していないことに気づきます。あの時の書き込み先はワークスペースの中でしたし、権限は正しく付いていました。リファクタもリネームも依存更新も、権限の観点では全て合法です。

問いの形7/16 の修正が効くか残る事故
権限そこに書いてよいか効く(外部書き込みの自動承認を封鎖)
範囲今回それをやってよいか効かない(権限は正当なまま)ついでのリファクタ・リネーム

権限層が固まるほど、残る事故は範囲層に寄っていきます。ツールが安全になったから安心、ではなく、ツールが安全になったぶん、自分が設計すべき層がはっきりした、と受け取っています。

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この記事で得られること
権限と区別した「タスク範囲」の契約で、気を利かせすぎる変更を止める設計
範囲外に触れたくなったら実行せず提案だけさせる、受け入れ条件の書き方
ヘッドレス実行に範囲契約を載せ、逸脱を差分で事後検証する手順
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