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Agents & Manager/2026-07-08上級

エージェントに任せた仕事の「やり直し率」を測る — 委譲境界を勘ではなく数字で引く

どこまでをエージェントに任せるか。この線引きを私は長らく勘で引いていました。タスク種別ごとの「やり直し率」を git 履歴から算出し、委譲境界を数字で引き直す実践を、動くコードとともに整理します。

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金曜の夜、私は自分のコミット履歴をさかのぼりながら、少し落ち着かない気持ちになっていました。エージェントが書いたコードのうち、翌週の私が手を入れて直したものが、思っていたよりずっと多かったのです。

その週、Antigravity のエージェントにはずいぶん助けられたはずでした。緑のテストログも並んでいましたし、体感としては生産的でした。ところが履歴を丁寧に読むと、「エージェントが実装 → 数日後に私が同じ箇所を書き直す」という往復が、特定の種類の作業に集中していました。

私自身、個人開発で複数の壁紙アプリを回しており、AdMob まわりの細かな実装はエージェントに任せがちでした。だからこそ、この往復の多さは他人事ではありませんでした。

委譲の線引きを、私はそれまで勘で引いていました。「これは任せられる」「これは自分でやったほうがいい」。その勘の精度を、初めて数字で問い直した夜でした。

「速く終わった」と「うまくいった」は別の指標

エージェントに作業を委ねると、まず目に入るのは速度です。指示から実装までの時間、あるいは一晩で消化したタスク数。これらは気持ちよく、報告映えもします。

けれど速度は、成果の質を何も保証しません。速く出てきたコードが、翌週に自分の手で書き直されているなら、その委譲は差し引きで時間を生んでいない可能性があります。むしろ、レビューと手直しの二度手間ぶん、赤字かもしれません。

私はこの「事後に人手で直された割合」を、やり直し率(rework rate)と呼んで独立に測ることにしました。速度とは別の軸です。速くても、やり直し率が高ければ、その領域はまだ委ねる時期ではない。地味ですが、委譲の意思決定にはこちらの指標のほうがずっと効きます。

やり直し率をどう定義するか

言葉として「やり直し」は曖昧です。数字にするには、観測可能な事象へ落とす必要があります。私は次のように定義しました。

あるエージェント・コミットが「やり直された」とは、その後の一定期間内に、同じファイル群を触る人手のコミットが発生したこと。ここで期間は「72時間以内」または「同じファイルを触る次の5コミット以内」のいずれか短いほうを使います。

この定義は完璧ではありません。人手コミットが機能追加であって手直しではない場合も拾ってしまいます。ですが、実運用ではノイズよりシグナルのほうが勝ちました。理由は後半で触れます。まずは、雑でも観測可能な定義から始めることが大切だと考えています。

もう一段、精度を上げる補助シグナルも足しました。revert コミット、コミットメッセージ中の fixrevertrework といった語です。これらは修正らしさの重み付けに使います。

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