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連携・プラグイン/2026-07-06上級

自分のコードベースを Gemini 埋め込みと sqlite-vec で意味検索する — git 差分だけを再インデックスする増分パイプライン

自分のリポジトリを対象にした意味検索を、Gemini 埋め込みと sqlite-vec で構築する実装記録です。git の blob ハッシュで未変更ファイルの再埋め込みをスキップする増分パイプラインと、インデックスサイズ・クエリ遅延の実測値をまとめました。

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プレミアム記事

古い壁紙アプリのリポジトリで「サムネイルのキャッシュ破棄をどこに書いたか」を思い出せず、grep を三通りの語で叩いて空振りした夜がありました。関数名が evictThumbnail だったのに、私の頭の中の言葉は「キャッシュを消す処理」だったからです。

文字列検索は、書いた本人の語彙と一致しなければ何も返しません。ここを埋めるのが意味(セマンティック)検索です。Antigravity のエージェントに大きなリポジトリを触らせるときも、根拠となる箇所を素早く絞り込めるかどうかで、往復の回数がまるで変わります。

この記録では、自分のリポジトリだけを対象にした軽量な意味検索を、Gemini の埋め込みと sqlite-vec で組み立てます。個人開発で数年放置していたコードにも耐えるよう、git の差分だけを再インデックスする増分パイプラインにしました。実測したインデックスサイズと検索遅延も併せて公開します。

文字列検索では届かない場所

grep や IDE の検索は、トークンの一致を前提にしています。速くて正確ですが、語彙が一致しない問い合わせには沈黙します。「認証トークンの有効期限を延ばす箇所」と頭で考えても、コードに書いてあるのは refreshSession かもしれません。

意味検索は、コードと問い合わせの両方をベクトルに変換し、近いものを返します。完全一致ではなく「意味が近い」で拾えるため、うろ覚えの問いに強いという性質があります。

ただし外部サービスに丸ごとコードを預けたくはありません。私の場合、App Store と Google Play で配信中のアプリのソースが対象になります。そこでインデックスは手元の SQLite に閉じ込め、埋め込みの計算だけを Gemini API に任せる構成にしました。

三つの部品に分けて考える

全体は三つの部品に分解できます。役割を分けておくと、あとで差し替えが効きます。

部品役割使うもの
チャンカーソースを関数・クラス単位に切り出すPython の ast
エンベッダーチャンクとクエリをベクトル化するgemini-embedding-001
インデックスベクトルを保存し近傍検索するsqlite-vec

この分割の利点は、埋め込みモデルを差し替えても、チャンカーとインデックスの層に手を入れずに済むことです。逆にチャンクの切り方を変えても、保存層はそのまま使えます。

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この記事で得られること
git の blob ハッシュで未変更ファイルを判定し、再埋め込みを平均92%スキップする増分インデックスの実装
gemini-embedding-001 を output_dimensionality=768 で使い、1,850チャンクを約1.2MBの sqlite-vec インデックスに収めた実測値
シンボル単位チャンクとレイテンシ分解(クエリ埋め込み〜vec検索)で、体感を左右する遅延の内訳を数値で示す
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