Pythonプロジェクトで Antigravity を使っていると、こんな状況に陥ることがあります。ターミナルで pip install したはずのパッケージが「見つからない」と言われる、あるいは型補完が効かない、インポートエラーが消えありません。activateしたのに、なぜか反映されていありません。
この問題のほとんどは「ターミナルが使っているインタープリター」と「Antigravityが認識しているインタープリター」がズレていることが原因です。今回は仮想環境のツール別に、確実な修正方法をまとめました。
まず症状で原因を切り分ける
修正の前に、どのパターンかを確認しておきましょう。
ターミナルで以下を実行してください:
which python
python --version次に、Antigravityのステータスバー(画面右下のPythonバージョン表示)をクリックして「インタープリター選択」を開き、表示されているパスと比較します。
- パスが一致している → インタープリター自体は正しく認識されています。問題は別の箇所にある可能性が高いです(後述の「よくある失敗パターン」を参照)
- パスが一致していない → Antigravity が意図しないインタープリターを使っています。これが今回の主な対処対象です
venv を使っている場合
標準ライブラリの venv を使っている場合、最も確実な方法はインタープリターのフルパスを直接指定することです。
プロジェクトルートで仮想環境を作成した場合(python -m venv .venv)、インタープリターのパスは:
- Mac / Linux:
.venv/bin/python - Windows:
.venv\Scripts\python.exe
Antigravity のコマンドパレット(Cmd+Shift+P / Ctrl+Shift+P)から「Python: インタープリターを選択」と入力し、「+ インタープリターパスを入力」からこのパスを直接入力するのが最も確実です。
リストに自動表示される場合でも、一度選択し直すことで設定がリフレッシュされることがあります。
# 仮想環境を作成(プロジェクトルートで実行)
python -m venv .venv
# 有効化
source .venv/bin/activate # Mac/Linux
.venv\Scripts\activate # Windows
# パスを確認
which python
# → /Users/your-name/your-project/.venv/bin/pythonこのパスを Antigravity に直接指定します。
Poetry を使っている場合
Poetry はデフォルトで仮想環境をシステムのキャッシュディレクトリ(~/Library/Caches/pypoetry/virtualenvs/ など)に作成します。このパスが Antigravity には見つけにくく、認識されないことがあります。
最も効果的な対処法は、仮想環境をプロジェクト内に作成するよう設定を変更することです:
# 仮想環境をプロジェクト内(.venv/)に作成する設定
poetry config virtualenvs.in-project true
# 設定後、仮想環境を再作成
poetry env remove python # 既存の仮想環境を削除(任意)
poetry installこの設定を有効にすると .venv/ ディレクトリがプロジェクトルートに作成され、Antigravity が自動的に検出できるようになります。
既存のプロジェクトでこの設定を後から変えた場合は、Antigravity のウィンドウをいったん閉じて開き直すか、「Python: リロード」コマンドを実行してみてください。
uv を使っている場合
uv もデフォルトでは .venv/ をプロジェクト内に作成するため、比較的検出されやすいです。ただし、uv の実行後に Antigravity がすぐに認識しない場合があります。
# uv でプロジェクトの依存関係をインストール
uv sync
# または個別にパッケージをインストール
uv add requestsuv sync 実行後、ステータスバーのインタープリターを一度クリックして再選択してみてください。Antigravity はファイルシステムの変更をリアルタイムで監視していますが、タイミングによって反映に数秒かかることがあります。
uv でのトラブルシューティング詳細は Antigravity × uv でパッケージが見つからないエラーの解決策 も参考にしてみてください。
Conda を使っている場合
Conda の環境は venv よりも認識されにくいケースが多いです。以下を順番に試してください。
1. 環境のベースパスを確認する
conda info --envs
# 出力例:
# base * /opt/homebrew/Caskroom/miniconda/base
# myenv /opt/homebrew/Caskroom/miniconda/base/envs/myenvこの出力から myenv のパスを確認し、Antigravity のインタープリター選択画面で直接入力します(/opt/homebrew/Caskroom/miniconda/base/envs/myenv/bin/python)。
2. Antigravity のワークスペース設定に追記する
プロジェクトの .vscode/settings.json(Antigravity は VS Code 互換の設定ファイルを読み込みます)に以下を追加しておくと、毎回選び直す手間が省けます:
{
"python.defaultInterpreterPath": "/opt/homebrew/Caskroom/miniconda/base/envs/myenv/bin/python"
}これはプロジェクト固有の設定なので、チームメンバーとリポジトリを共有する場合は .gitignore に追加するか、各自のパスに合わせて変更が必要な点に注意してください。
よくある失敗パターンと回避策
実際によくある間違いをいくつか挙げます。
パターン1: ターミナルで activate しているのに Antigravity には反映されない
ターミナルの activate とエディタのインタープリター設定は連動しません。ターミナルを activate しても、Antigravity 側の設定は変わりません。エディタのステータスバーから明示的に選択し直す必要があります。
パターン2: Antigravity を起動した後に venv を作成した
Antigravity は起動時にインタープリターをスキャンします。起動後に新しく仮想環境を作成した場合、「Python: リロード」コマンドを実行するか、ウィンドウを再起動するまで認識されないことがあります。
パターン3: プロジェクトを別のフォルダで開いている
Antigravity はフォルダ単位でインタープリター設定を保持します。プロジェクトルートではなく、親フォルダやサブフォルダで開いている場合、設定が正しく引き継がれないことがあります。必ず File → Open Folder でプロジェクトルートを開いてください。
パターン4: Node.js のバージョン問題と混同している
Node.js を使っている場合に似た問題が起きることがあります。Node.js のバージョン管理については Antigravity で Node.js バージョンが一致しない問題の解決策 を参照してください。
設定をチームで共有する方法
個人の設定ではなく、チーム全員が同じインタープリター設定を使えるようにするには、DevContainerを使うのが最も確実です。DevContainerを使えば、Pythonのバージョンと仮想環境の設定を devcontainer.json で管理できます。設定方法は Antigravity DevContainer 完全セットアップガイド をご覧ください。
今日から試せること
まずは Antigravity のステータスバー右下にある Python バージョンをクリックし、現在選択されているインタープリターのパスを確認してみてください。ターミナルの which python の出力と一致していれば、設定は正しくできています。一致していなければ、この記事で紹介した方法でパスを直接指定してみてください。多くのケースで、それだけで問題が解決します。