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⟐ Editor View/2026-03-26上級

数万行のコードベースを壊さずに作り変える — Antigravity Editor View で進める大規模リファクタリングの実務

3年放置したコードベースを前に動けなくなった朝から始まる、大規模リファクタリングの実務記録です。Editor View によるマルチファイル同時変換、依存関係の分析、レガシーのマイグレーション戦略、費用対効果までを実測値とともに共有します。

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✦ プレミアム記事

ある朝、3年分の技術的負債と向き合った話

ある朝のことです。私が個人開発で運営しているサイト群のうち、3年ほど手を入れていなかったコードベースを開いて、しばらく画面を見つめたまま動けなくなりました。コールバックが何重にも入れ子になり、型が any で塗り潰され、どのファイルを触れば何が壊れるのか、書いた本人である私自身にももう見通せなくなっていたのです。

以前の私なら、ここで見なかったことにしてブラウザを閉じていたと思います。大規模リファクタリングは、テストが薄いプロジェクトでは「一歩踏み出すこと」そのものが怖い作業です。

その朝、試しに Antigravity の Editor View にコードベース全体を読み込ませ、「どこから手をつけるべきか」を尋ねてみました。返ってきたのは、循環参照の一覧と、リスクの低い順に並んだ変換手順でした。怖さの正体は「全体が見えないこと」だったのだと、そのとき初めて腑に落ちました。

その後しばらくの間、私が Dolice Labs として運営している複数のサイトとアプリを並行して作り変えながら掴んだ、Antigravity Editor View による大規模リファクタリングの実務を、ここでお伝えします。AI を「全自動の変換機」ではなく「全体像を見せてくれる相棒」として使う、という一点に尽きます。

対象読者は、Antigravity の基本操作に慣れていて、より大規模なコード変換に挑みたいエンジニアです。

アーキテクチャ分析 — 変更前に全体像を把握する

大規模リファクタリングの最初のステップは、現在のコードベースの構造を正確に理解することです。Antigravity の Editor View では、プロジェクト全体をコンテキストに含めた状態で AI に分析を依頼できます。

依存関係グラフの生成

Cmd + I(インラインチャット)を開き、以下のようなプロンプトで依存関係を分析します。

Analyze the dependency graph of this project.
Identify circular dependencies, tightly coupled modules,
and suggest the optimal refactoring order based on
dependency depth.

Antigravity は Editor View のコンテキストウィンドウを活用して、ファイル間の import/export 関係、クラスの継承構造、関数の呼び出しチェーンを解析します。出力例は以下のようになります。

## Dependency Analysis Report

### Circular Dependencies (Critical)
1. src/services/auth.ts ↔ src/services/user.ts
   - auth.ts imports getUserById from user.ts
   - user.ts imports validateToken from auth.ts
   → Suggestion: Extract shared interface to src/types/auth-user.ts

### Tightly Coupled Modules (Warning)
1. src/controllers/ → src/services/ → src/repositories/
   - 12 controllers directly instantiate service classes
   → Suggestion: Introduce dependency injection container

### Recommended Refactoring Order
1. Extract shared types (lowest risk)
2. Break circular dependencies
3. Introduce DI container
4. Refactor controllers to use DI

この分析結果を元に、リファクタリングの優先順位とスコープを決定します。私自身がこの出力で一番ありがたいと感じるのは、「リスクの低い順」に並べてくれる点です。最初に共有型を切り出すだけなら、たとえ途中で気が変わっても被害はほとんどありません。可逆的な一歩から始められると、心理的なハードルが大きく下がります。

影響範囲の予測

特定のモジュールを変更した場合の影響範囲を事前に把握するには、以下のプロンプトが効果的です。

If I rename the UserService class and change its constructor
signature, list every file that would need to be updated,
categorized by risk level (high/medium/low).

Editor View は静的解析に加え、テストファイルとの関連も考慮して影響範囲を示します。これにより、「変更したら何が壊れるか」を事前に把握できます。

✦

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