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⚙ AIツール/2026-04-22上級

Gemma 4 の複数 LoRA を組み合わせて使う — マージ技法と動的スイッチングで『1モデルで何でもこなす』を本番で実現する

要約・翻訳・コードレビューなど複数タスクに LoRA を学習させたとき、どう本番で組み合わせるか。マージ前のランク点検、Weighted と TIES、動的スイッチングと切り替え頻度の計測まで、個人開発で詰まった箇所を Antigravity と一緒にほどいていく実装ノートです。

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3つの LoRA を学習し終えた翌朝、本当の課題が見えてきました

アプリのレビューを要約する LoRA、ストアの説明文を日英で訳す LoRA、そしてコードレビュー用の LoRA。個人開発の運用で毎日のように発生する3つの作業に合わせて、Gemma 4 へ別々に学習させてみました。それぞれの評価は満足のいく出来で、週末の達成感をひとしきり噛みしめておりました。

手が止まったのは翌朝です。3つを別々のサーバーで常駐させる見積もりを出したところで、月々の請求額が頭に浮かび、胃のあたりが重くなりました。レビュー要約は朝に集中し、翻訳はストア更新の前だけ、コードレビューは夜。使う時間帯がばらばらの3タスクに、GPU を3枚分払い続けるのは個人の財布には合いません。

この記事は、そのとき私が辿った試行錯誤を残した実装ノートです。複数 LoRA の「マージ」と「動的スイッチング」という2つのアプローチを軸に、Antigravity のエージェントを伴走させながら、実運用できるかたちに落としていきます。Weighted と TIES の違い、マージ前に必ず確かめるべき設定、set_adapter() の罠まで、つまずいた場所を順に書き残します。

対象は、LoRA / QLoRA での学習をすでに一度は経験し、次に「本番でどう組み合わせるか」を考えている方です。ファインチューニング自体の基礎は、Gemma 4 の LoRA / QLoRA ファインチューニング実務ノート に譲ります。

複数タスクに LoRA を使うときの選択肢は3つです

整理すると、選べる戦略はおおむね次の3つに集約されます。

  • 戦略A: マージして1つの単一モデルにする — 学習後の LoRA 重みを統合し、通常の Gemma 4 と同じように動かす方法です。推論経路が単純で、既存の vLLM などの環境にそのまま載せられます
  • 戦略B: ベースモデル1つにアダプタを動的に差し替える — Gemma 4 本体は1つだけロードし、リクエストの性質に応じて LoRA アダプタだけを切り替える方法です。メモリは節約できますが、切り替えのレイテンシと同時実行の難しさを引き受けることになります
  • 戦略C: アダプタを並列で有効化し、ルーターで重みを制御する — S-LoRA や Punica のような専用サーバーで複数 LoRA を同時に載せ、入力ごとに使い分ける方法です。もっとも柔軟ですが、実装と運用のコストは一段高くなります

私はいつも、次の目安で選んでいます。

  • タスクが2〜3個で、性格が似ている場合(英日翻訳と日英翻訳、要約と抽出など)→ 戦略A のマージ
  • タスクが4個以上あり、互いに独立している場合(要約、コードレビュー、SQL 生成など)→ 戦略B の動的スイッチ
  • 1つの応答の中でタスクが混ざる場合(技術文書の要約をそのまま英訳する、など)→ 戦略C のマルチアダプタ

マージ手法は4つ、選ぶ基準は単純です

戦略A を取る場合、複数の LoRA をどう統合するかで結果は大きく変わります。

  • Weighted(Linear): 重みを線形結合する最古参の手法です。new_W = α * W_A + β * W_B という単純な形で、タスク同士の干渉が小さいときに向いています
  • TIES(Trim, Elect Sign, Merge): 小さな変化量を切り捨て、符号の衝突を多数決で解消してから統合する手法です。3つ以上を混ぜるとき、私はこれを最初に試します
  • DARE(Drop And REscale): ランダムに変化量を落としてから再スケールする手法です。TIES と組み合わせた DARE-TIES は、多数の LoRA を混ぜる場面で候補になります
  • SLERP(球面線形補間): 2つのモデルを球面上で補間する手法です。口調の混合などには向きますが、3つ以上の統合には使えません

2つなら Weighted か SLERP、3つ以上なら TIES、さらに多ければ DARE-TIES。この順に試し、自分の評価セットでいちばん良いものを採用します。目隠しでひとつに賭けるより、数パターンを並べて比べるほうが結局は早いのです。

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✦タスクごとに LoRA を学習したのはいいが、本番でどう使い分ければいいか分からなかった人が、3つの具体的な運用パターンを選べるようになります
✦マージ前に adapter_config.json を突き合わせる点検スクリプトで、ランク違いや土台違いによる失敗を実行前に止められるようになります
✦動的 LoRA スイッチングの推論サーバーと、切り替え頻度の影響を測るベンチマークを手元で動かし、自分の負荷で戦略を決められるようになります
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