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◈ Agents & Manager/2026-06-19上級

Antigravity のサンドボックスでマルチエージェントを動かしても、隔離は思ったほど効いていない — 被害範囲を封じ込める運用メモ

Antigravity のサンドボックスは「隔離した気持ち」を与えますが、共有ボリューム・広すぎる許可ドメイン・承認疲れの3つで隔離は漏れます。漏れどころを塞ぎ、被害範囲を設計で封じ込め、隔離をテストで証明する運用メモです。

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✦ プレミアム記事

隔離できているつもりで、被害範囲だけが広がっている

Antigravity のサンドボックスを有効にした直後、私は安心してしまいました。「これでエージェントが何をやらかしても、影響はサンドボックスの中に閉じる」と。その油断が一番危ないのだと、あとで思い知ることになります。

個人開発で複数のブログを並列のエージェントで回しているのですが、あるとき記事生成のエージェントに「共有ディレクトリ経由で隣のエージェントの成果物を受け渡す」構成を組みました。サンドボックスは有効。ファイルシステムは分離されている。そのつもりでした。ところが、その共有ディレクトリに置いた一時ファイルを別のエージェントが上書きし、まだ push 前のドラフトが消えました。サンドボックスは正しく動いていました。私が、隔離されているはずの場所に「分離の抜け道」を自分で開けていたのです。

サンドボックスは「隔離した気持ち」を与えてくれます。けれど隔離は、有効化した瞬間に完成するものではありません。守られている範囲と、自分で穴を開けてしまう範囲を仕分けて、被害範囲(blast radius)を設計で小さく保つ。ここではその実践を、実際に踏んだ漏れどころと、それを塞ぐコードとともに残しておきます。

サンドボックスが守る範囲と、守らない範囲を仕分ける

最初にやるべきは、サンドボックスへの過剰な期待を捨てることです。Antigravity のサンドボックス(2026年6月時点の v2.1.x 系)が標準で守ってくれるのは、おおむね次の範囲です。

守ってくれる守ってくれない(自分で設計する)
実プロジェクトファイルへの直接書き込み(コピー上で作業)共有ボリュームに置いたデータの相互上書き
許可していないドメインへの外部通信許可ドメインの「広さ」— 1つ許すと配下すべてが通る
サンドボックス外へのプロセス漏れ承認ダイアログで人間が「全部許可」を押す運用
リソース上限(プロセス数・メモリ・実行時間)エージェント間で共有される認証情報の流用

左の列はランタイムが面倒を見てくれます。問題は右の列で、ここはすべて運用とポリシー設計の領域です。私が消えたドラフトで学んだのは、漏れは右の列でしか起きないということでした。順番に塞いでいきます。

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この記事で得られること
✦サンドボックスが守る範囲と守らない範囲を仕分け、隔離が漏れる3つの実例を塞ぐ
✦エージェントごとに deny-by-default の権限ポリシーを切り、被害範囲を最小化する実装
✦「隔離が効いていること」を起動前にテストで証明する封じ込めアサーションの書き方
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