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アプリ開発/2026-04-22上級

Antigravity から自前 vLLM サーバーで Gemma 4 を本番運用する — 高スループット推論基盤を組み立てる実装ガイド

Ollama で動いた Gemma 4 を数十人規模に広げようとすると、必ず推論スループットの壁にぶつかります。vLLM で自前の推論サーバーを立て、Antigravity のエージェントから本番用のエンドポイントとして叩くまでを、docker-compose・量子化の選び方・レートリミットまで通しでまとめた実務ガイドです。

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ローカルでは動いた Gemma 4 が、ある日急に詰まり始める

Gemma 4 を Ollama で動かして、Antigravity のカスタムモデルとして登録し、自分ひとりで使っている分には何も問題がありませんでした。私も最初はそうで、「もうこれで十分では?」と思っていた時期があります。

ところが、チーム内のエンジニア数人に同じエンドポイントを共有した瞬間、体験が一変します。プロンプトを投げてから最初のトークンが返ってくるまでが 5 秒、10 秒と遅くなり、ある瞬間から Antigravity 側がタイムアウトで赤く点滅するようになりました。Ollama のログを覗くと、リクエストが直列に処理されており、2 人目以降は 1 人目の生成が終わるまでひたすら待たされていたのです。

この記事は、その「ローカルで動いた」から「複数ユーザー・複数エージェントで動かす」へ移るときに、私自身が遠回りして学んだ内容のノートです。結論から言えば、Ollama と LM Studio はデスクトップ体験向けに最適化されていて、並列リクエストを捌くようには設計されていません。そこを担うのが vLLM で、Antigravity からは OpenAI 互換のエンドポイントとしてそのまま差し込めます。

ここで扱うのは Gemma 4 9B と 27B のどちらでも構いませんが、VRAM と費用感の例は 9B を前提にします。27B の話は節の中で適宜触れます。

vLLM を選ぶ理由と、Ollama / LM Studio との役割分担

推論サーバー候補はいくつもあります。私は Ollama、LM Studio、Text Generation Inference(TGI)、そして vLLM を、実際のワークロードで並べて試しました。個人開発者の目線で結論だけ先に書くと、次の棲み分けが一番しっくりきています。

  • Ollama / LM Studio: 自分ひとりでの開発・検証、デスクトップ上での対話。セットアップが 10 分で終わるのが最大の強み
  • TGI: Hugging Face の学習エコシステムにロックインしているチーム。モデルハブとの連携がなめらか
  • vLLM: 複数ユーザー・複数エージェントが同時に叩く本番・ステージング。PagedAttention と連続バッチングでスループットが桁違い

vLLM の強みは、PagedAttention による KV キャッシュの効率利用と、連続バッチング(Continuous Batching)と呼ばれるスケジューラにあります。複数のリクエストを待ち行列に並べるのではなく、生成中のリクエストの隙間に新しいリクエストをねじ込んでいくので、同時実行数が増えても 1 リクエストあたりのレイテンシが急激に悪化しにくい設計になっています。

ただし、vLLM は対話 UI を提供しません。OpenAI 互換の REST API と Python クライアントだけが表に出ます。つまり、Ollama のように「起動したらすぐチャットできる」体験は得られません。Antigravity のようなフロント側を持っている前提で初めて力を発揮するタイプのツールです。

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この記事で得られること
Ollama から vLLM へ移す判断基準を、同時接続で詰まる仕組みを実際のログから読み解きながら整理します
bfloat16 / W8A8 / AWQ 4bit を同一ワークロードで実測し、量子化ごとのスループットと品質のトレードオフを数値で示します
自前 GPU と API の損益分岐を月額で見積もる計算モデルと、沈黙する失敗を捕まえる観測性の設計まで通します
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