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アプリ開発/2026-06-27上級

Dropbox 同期のフォルダで Antigravity エージェントに Xcode を任せると、ビルドが時々壊れる理由

クラウド同期フォルダに置いた Xcode プロジェクトを Antigravity のエージェントに触らせると、ビルドが日替わりで成功したり失敗したりします。同期デーモンとビルドの競合という原因と、xattr による除外・衝突コピー検査までを実装視点でまとめます。

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ある週、夜間に走らせていた Antigravity のエージェントが、同じタスクなのに三日に一度くらいの割合で失敗するようになりました。ログを見ると pod install の途中でロックファイルが壊れていたり、xcodebuild が「存在するはずのファイルが見つからない」と言って止まっていたりします。手元で同じコマンドを叩くと、何事もなく通る。エラーの場所も毎回少しずつ違う。こういう「再現しない失敗」は、たいていコードではなく環境のほうに原因があります。

私自身、iOS のアプリを App Store と Google Play で個人開発として長く運用していて、作業フォルダはずっと Dropbox で複数の Mac に同期しています。便利な反面、この同期がエージェントの無人実行と相性が悪い瞬間があることに、しばらく気づけませんでした。原因は、同期デーモンとビルドが同じディレクトリを同時に触っていたことでした。

同じコマンドなのに、成功と失敗が日替わりで入れ替わる

最初に疑うべきは、自分のコードでも Antigravity のエージェント本体でもありません。「失敗の場所が毎回ずれる」「手元では再現しない」「特定の時間帯に偏る」——この三つが揃ったら、まず環境の非決定性を疑います。

クラウド同期フォルダの上でビルドすると、次の二つのプロセスが同じファイルを取り合います。

プロセスやっていること触るディレクトリ
ビルド(xcodebuild / pod install)中間生成物を秒単位で大量に作成・削除build/, Pods/, DerivedData/, .swiftpm/
同期デーモン(Dropbox 等)変化したファイルを検知してアップロード・再ダウンロード同期対象フォルダ全体

ビルドが書いた瞬間のファイルを同期デーモンがアップロードし始め、その途中でビルドが同じファイルを上書きすると、同期側は「両方を残す」と判断して衝突コピーを作ります。Podfile.lock (○○ のコンフリクトしたコピー).lock のようなファイルが生まれ、次のビルドがそれを掴むと整合性が崩れます。人間が対話的に作業しているときは、たまたまその一瞬に当たらないので気づきにくいのですが、エージェントを一日に何度も無人で回すと、衝突に当たる確率が無視できなくなります。

同期デーモンとビルドが同じディレクトリを取り合っている

ここで大事なのは、これは Antigravity のバグでも CocoaPods のバグでもない、ということです。どのエージェント・どのビルドツールを使っていても、高頻度で書き換わるディレクトリをファイル同期の対象に含めている限り、同じ競合が起きます。

特に壊れやすいのは次のような場所です。.swiftpm/xcuserdata のように Xcode が裏で頻繁に書き換えるメタデータ、Pods/ のように一括で再生成される依存ツリー、build/DerivedData/ のような中間生成物。これらは「いつ消えて再生成されてもよい」性質のもので、別の Mac と共有する価値がそもそもありません。共有したいのはソースコードであって、ビルドの残骸ではないはずです。

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この記事で得られること
成功と失敗が日替わりで入れ替わる『再現しないビルド失敗』の正体を、同期デーモンとビルドの競合として切り分けられるようになる
build / Pods / .swiftpm などの揮発ディレクトリを xattr で同期から外し、クリーンビルドで印が消える問題まで Run Script で塞ぐ手順を持ち帰れる
エージェントを走らせる前に衝突コピーの混入を検査するプリフライトを組み、無人実行で壊れたリポジトリを掴ませない設計を自分の環境に適用できる
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