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Antigravity 基本/2026-04-30中級

Antigravityでチャット履歴が消えた時の診断と復旧手順

Antigravityでチャット履歴が突然消えてしまった時の原因切り分けと、ローカルに残った状態ファイルから会話を救出する具体的な手順を解説します。再発を防ぐ運用習慣も紹介します。

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「再起動したら AI とのやり取りが全部消えていた」「アップデート直後にチャットウィンドウが空っぽになっていた」— Antigravity を日常的に使う方なら、一度はこの瞬間に遭遇したことがあるのではないでしょうか。私自身、長時間かけて積み上げたコンテキストが朝起きたら吹き飛んでいた絶望は今でも忘れられません。ここでは消えた履歴が本当に消失したのか、復旧の余地があるのか、そしてどうすれば二度と同じ目に遭わずに済むのか、実際に試して効果のあった手順を順を追ってお伝えします。

まずは慌てない — 履歴が「見えなくなる」5つのよくある原因

チャット履歴が空に見える状態には、実は「物理的に消えている」ケースと「読み込みに失敗しているだけ」のケースが混在しています。私が遭遇したケースは大きく分けて以下の5つでした。

  • 強制終了・クラッシュによる状態ファイル破損: 書き込みの途中で Antigravity が落ちると、SQLite の WAL ファイルが不整合になり、起動時に履歴の読み込みが諦められることがあります
  • アップデートによるスキーマ変更: マイナーバージョンアップでも履歴の保存形式が変わると、旧形式のレコードが UI から見えなくなる場合があります(データ自体はディスク上に残っていることが多いです)
  • ワークスペースを切り替えた時の勘違い: Antigravity はワークスペースごとにチャット履歴を分離します。直前まで開いていたフォルダと別のフォルダを開いた場合、当然ながら履歴は別のものが表示されます
  • 自動クリーンアップ: ストレージ消費量が閾値を超えると、古い会話が自動的に削除されることがあります(設定によって挙動は変わります)
  • Sync 機能による上書き事故: 別端末で空のセッションが立ち上がり、それが「最新」として同期されてしまうケースです

最初の判断としては、**「他のワークスペースを開くと履歴が見えるか」**を試してみてください。これでチャットが復活するなら、純粋にワークスペースの切り替え忘れです。それで解決しない場合は、次のステップへ進みます。

履歴がローカルに残っているかを最初に確認する

Antigravity は多くの VS Code 系 IDE と同様に、ユーザーの状態を globalStorage/ 以下に SQLite データベースとして保存しています。OS ごとのパスは以下の通りです。

  • macOS: ~/Library/Application Support/Antigravity/User/globalStorage/
  • Windows: %APPDATA%\Antigravity\User\globalStorage\
  • Linux: ~/.config/Antigravity/User/globalStorage/

まず、このディレクトリ自体が存在しているかを確認します。

# macOS の場合 — 状態フォルダの中身を確認
ls -la ~/Library/Application\ Support/Antigravity/User/globalStorage/
 
# 期待する出力例:
# state.vscdb        ← メインの状態DB(履歴もここ)
# state.vscdb.backup ← 直前バックアップ
# antigravity.chat/  ← チャット用拡張ストレージ

state.vscdb のサイズが数 MB 以上あれば、履歴データは物理的にディスク上に残っています。0 バイト または state.vscdb.backup のみが残っている場合は、起動時にDBが再生成された可能性が高く、復旧の難易度が上がります。

残っていた状態ファイルから会話を救出する

state.vscdb は SQLite データベースなので、sqlite3 コマンドがあれば中身を直接読み出せます。Antigravity は起動中にこのファイルをロックする可能性があるため、必ず Antigravity を完全終了してから操作してください。

# 1. 安全のためコピーを作ってから操作する(オリジナルを壊さない)
cp ~/Library/Application\ Support/Antigravity/User/globalStorage/state.vscdb \
   /tmp/antigravity_state_backup.vscdb
 
# 2. チャット関連のキーを抽出
sqlite3 /tmp/antigravity_state_backup.vscdb \
  "SELECT key, length(value) AS bytes FROM ItemTable \
   WHERE key LIKE '%chat%' OR key LIKE '%history%' OR key LIKE '%conversation%' \
   ORDER BY bytes DESC LIMIT 20;"
 
# 期待する出力(例):
# antigravity.chat.sessions|248531
# antigravity.recent.chats|45120
# workbench.panel.chat.viewState|9821

サイズが数十 KB 以上あるキーが見つかれば、そこに会話本体が JSON で保存されています。次にその中身を取り出します。

# 3. 該当キーの値(JSON)をファイルに書き出す
sqlite3 /tmp/antigravity_state_backup.vscdb \
  "SELECT value FROM ItemTable WHERE key = 'antigravity.chat.sessions';" \
  | python3 -m json.tool > ~/antigravity_recovered_chats.json
 
# 4. 中身を確認(最初の50行だけ表示)
head -50 ~/antigravity_recovered_chats.json

python3 -m json.tool で整形しているので、テキストエディタで開けば「いつ・どんな質問をして・どんな回答が返ってきたか」が時系列で読めます。完全な UI 表示を取り戻すことはできませんが、重要なやり取りをコピーして別の場所に保管するところまでは確実にできます。

履歴消失を未然に防ぐ4つの運用習慣

ここまでの復旧作業を一度経験すると、二度と同じことを繰り返したくないと痛感します。私が現在採用している予防策は次の4つです。

1. 「捨てがたい対話」は即座に外部ファイルへ書き出す

長時間かけて辿り着いた設計判断や、再現が難しいデバッグログは、その場でコピーしてプロジェクト内の docs/decisions/_research/ のような場所に貼り付けます。チャット履歴は本質的に揮発性のものと割り切る方が精神衛生上も健全です。

2. Sync は「片方向」だけにする

複数端末で Antigravity を使う場合、双方向 Sync は便利ですが、起動順序によっては空セッションが「最新」と判定されてしまうリスクがあります。信頼できるメイン端末からの一方向 Sync に絞っておくと、事故が大幅に減ります。

3. 状態フォルダを cron で日次スナップショット

私は macOS の launchd で毎晩 23:30 に以下のコマンドを走らせています。

#!/bin/bash
# ~/bin/antigravity_snapshot.sh
SRC="$HOME/Library/Application Support/Antigravity/User/globalStorage"
DST="$HOME/Backups/antigravity"
mkdir -p "$DST"
 
# 過去30日分のみ保持
find "$DST" -name "antigravity_*.tar.gz" -mtime +30 -delete
 
# tar + gzip でアーカイブ(日付付き)
tar -czf "$DST/antigravity_$(date +%Y%m%d).tar.gz" -C "$(dirname "$SRC")" "globalStorage"
 
echo "Snapshot complete: $DST/antigravity_$(date +%Y%m%d).tar.gz"

たった数 MB のアーカイブを30日分保持するだけで、過去のどの日にも巻き戻せる安心感が得られます。

4. アップデート前の手動バックアップを習慣化する

メジャーアップデートの通知が来たら、適用前に状態フォルダを tar.gz で固めておく習慣をつけています。アップデートでスキーマが変わって履歴が読めなくなった場合でも、戻せる選択肢を必ず1つ残しておくためです。

それでも復旧できない場合の最終手段

ここまで試して履歴が戻らない場合は、残念ながらデータは物理的に失われている可能性が高いです。最後に確認すべきポイントを2つだけ挙げておきます。

  • Time Machine(macOS)/ ファイル履歴(Windows) からの復元: OS レベルのバックアップ機能が有効であれば、数日前の state.vscdb を取り戻せる場合があります
  • 公式サポートへの問い合わせ: アカウント単位で会話のサーバー側ログが残っている可能性があります。問い合わせ時には「事象発生日時」「アップデート前後の状況」「該当ワークスペース名」を必ず添えてください

トラブルシューティング関連で参考になる記事として、Antigravity の設定同期が動かない時の対処法ワークスペースのインデックス処理が止まる問題 も合わせてご覧いただくと、関連する状態管理の理解が深まります。

今日、最初にやってほしいこと

長く Antigravity と付き合っていくなら、履歴消失は「いつか必ず起きる」前提で備えておく方が現実的です。本記事を読み終えた後、まず1つだけお願いがあります。state.vscdb をコピーして、別フォルダに保管しておくだけで構いません。それだけで、次にトラブルが起きた時にあなたが取れる選択肢が一段増えます。完璧な自動化は後回しでよいので、まずはその一手だけ、今日のうちに済ませておきませんか。

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