今日はこどもの日。ゴールデンウィークの最終日です。
4月29日の昭和の日から数えると、7日間の連休でした。旅行に行くわけでも、家族と過ごす予定があるわけでもないこのGWを、私はほぼまるごと Antigravity との開発時間に充てました。
「GWに仕事してるの?」と聞かれると少し答えに迷います。でも私にとって、コードを書いたりアプリの仕上げをしたりする時間は、旅行よりも好きな時間かもしれません。アーティストが絵を描くのと同じように、「作っている」という感覚がある日は、休みかどうかに関係なく充実しています。
この記事は、そんな7日間の正直な記録です。
作ろうと決めていたもの
GW前に決めていたのは、iOS アプリの新機能追加とリリースです。具体的には、既存の壁紙アプリへの「今日の壁紙」機能の実装と、App Store Connect へのビルド提出まで。さらに余裕があれば、サイトの記事自動生成の精度改善も手をつけたいと思っていました。
どちらも「いつかやらないと」と思いながら後回しにしていたものです。GWという連休の塊があれば、まとまった思考時間が確保できると考えました。
最初の2日間 — ペースをつかむまで
4月29日と30日は、正直なところあまり進みませんでした。
Antigravity の Agent を立ち上げて「今日の壁紙機能の設計から始めよう」とタスクを投げたのですが、最初のレスポンスが想定よりずっと大きな変更を提案してくるのです。ウィジェット拡張、CloudKit との同期、通知機能——全部まとめて設計しましょう、という提案でした。
悪い提案ではありません。でも私が欲しかったのは「まず動くものを」という小さな一歩でした。
ここで気づいたのは、エージェントへの指示は「最終形」よりも「今日の終わりにどこまで行きたいか」で伝えたほうがいい、ということです。「今日の壁紙機能、まずウィジェットなしで単一機能だけを動かすところまで」と言い直したら、2時間でベータ版が動き始めました。
3日目から5日目 — エージェントとのリズムができた
GW中盤の5月1〜3日は、過去最高に集中できた3日間だったかもしれません。
Antigravity のバックグラウンドエージェントに「昨日のビルドエラーを直して、テストを追加して」と投げてから朝食の準備をして、戻ってきたら修正済みのコードが待っている。その繰り返しが板についてきました。
特に助かったのは、SwiftData の移行まわりです。既存の Core Data モデルを SwiftData に移行する作業は、migration plan の書き方や型の整合性確認など、調べながら進める部分が多い。Antigravity はその都度、公式ドキュメントの関連部分を引っ張ってきて、「この型の場合はこうする」という具体例と合わせて提示してくれました。
3日間で「今日の壁紙」機能の実装が終わり、ウィジェット対応も8割まで進んでいました。
SwiftData + CloudKit の実装パターンについては SwiftData と CloudKit を使ったオフラインファーストアプリの作り方 にまとめてあるので、同じような課題に取り組んでいる方はぜひ参考にしてください。
6日目 — 詰まったのは「美しさ」の判断だった
5月4日、ウィジェットの UI をつめる日でした。
機能は動いている。レイアウトも崩れていない。でも画面を見るたびに「なんか違う」という感覚が残ります。フォントサイズ、余白、アイコンの視覚的な重さ。Antigravity に「もう少し洗練させて」と言っても、返ってくるのは「どういう方向性?」という質問です。
そこが、AIエージェントがまだ踏み込めない領域だと実感しました。
デザインのことを言葉で説明するのは難しい。「余白をもう少し」「フォントの太さをこっちにして」という感覚的な調整は、私がコードを直接触りながら、Simulator で確認して、また直す、という作業のほうが明らかに速いのです。
Antigravity が得意なのは「正しさの判断」で、私が担うべきは「美しさの判断」なのかもしれない——そんなことを考えながら、午後の3時間を UI の微調整に使いました。
7日目(今日) — TestFlight に出した朝
5月5日の今朝、TestFlight にビルドを上げました。
審査待ちの状態に入れた瞬間、GWの7日間が一区切りになった感じがしました。完璧ではないけれど、「今日の壁紙」機能は動いている。ウィジェットも動いている。もう一つ目標にしていたサイトの記事生成の精度改善は手をつけられませんでしたが、それは来週に持ち越しです。
7日間、まとまった時間を持てたことで見えてきたのは、Antigravity との付き合い方のリズムでした。
GWを通じてわかったこと
エージェントに任せられるようになったこと
- バグ修正と原因調査(クラッシュログ → 該当コードの特定まで)
- APIドキュメントの調査と実装例の提示
- テストコードの追加と実行
- Git の差分管理と commit メッセージの下書き
まだ自分でやること
- UI の「感覚的な調整」(余白・フォント・色のバランス)
- タスクの分割と「今日どこまで行くか」の設定
- 機能の優先順位の判断
- リリース判断(「今のクオリティで出せるか」は自分が決める)
Antigravity のエージェントはよく「何でもやってくれる」と紹介されますが、実際には「正確さが必要な作業」が得意で、「判断が必要な作業」はまだ人間の仕事です。そのことが7日間でよりはっきりしました。
TestFlight の審査が通ったら、また正直に報告しようと思います。GWお疲れさまでした。