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AgentKit 2.0 で変わったマルチエージェント開発:実践ワークフローを公開します

AgentKitマルチエージェントAntigravityワークフロー開発体験

AgentKit 2.0 との出会い

正直に言うと、最初は「また新しいバージョンか」という感覚でした。AI開発ツールのアップデートは頻繁で、追いかけるだけでも一苦労です。でも AgentKit 2.0 は、触り始めてすぐに「これは違う」と感じました。

単なる機能追加ではなく、マルチエージェントの組み方そのものが変わったと感じたのです。

今回は、実際に個人のアプリ開発プロジェクトへ AgentKit 2.0 を導入した体験をもとに、変化したワークフローと気づきをお伝えします。

以前のシングルエージェント構成の限界

AgentKit 2.0 を使う前は、1つのエージェントにすべての作業を任せるシングルエージェント構成が中心でした。

一見シンプルで良さそうですが、実際には次のような問題が積み重なっていました。

コンテキストの肥大化: タスクが複雑になるほど、エージェントに渡す指示とコンテキストが膨らみます。途中でエージェントが「前の指示を忘れる」ことが増え、修正の手間が発生していました。

エラーの連鎖: 1つのエージェントがすべてを担うため、途中でミスが起きると後続の作業すべてが影響を受けます。デバッグが非常に大変でした。

並列化ができない: 「UIの実装」と「APIの整備」を同時に進めたくても、1つのエージェントでは順番に処理するしかありませんでした。

AgentKit 2.0 で変わったこと

AgentKit 2.0 では、オーケストレーター(指揮者)とワーカー(実行者)を明確に分離できるようになりました。

この分離が、私のワークフローを根本から変えました。

オーケストレーターに「全体を見る目」を持たせる

オーケストレーターエージェントは、タスク全体の分解と進行管理に集中させます。コードを書かせません。「何をどの順番で、どのエージェントに頼むか」だけを考えさせます。

これにより、オーケストレーターのコンテキストが驚くほどスリムになり、判断の精度が上がりました。

ワーカーを「専門家」として切り分ける

私の構成例を紹介します。

📋 オーケストレーター
  ├── 🎨 UIワーカー(画面設計・コンポーネント実装)
  ├── ⚙️ APIワーカー(バックエンド・データ処理)
  ├── 🧪 テストワーカー(テスト作成・バグ検出)
  └── 📝 ドキュメントワーカー(コメント・READMEの整備)

各ワーカーはそれぞれの専門領域のコンテキストだけを持ちます。UIワーカーはAPIの詳細を知らなくていい。APIワーカーはデザインを気にしなくていい。専門に集中させると、それぞれの精度が明らかに上がりました。

実際の開発でどう使っているか

iOS / Android アプリの開発で、私が実際に使っているフローを紹介します。

朝のスタートアップ

まずオーケストレーターにその日のタスクリストを渡します。「今日はログイン画面の改善とプッシュ通知の実装、それとユニットテストの追加」という形で。

オーケストレーターは自動的にタスクを分解し、どのワーカーに何を依頼するかのプランを提示します。私はそのプランを確認して「OK」と言うだけ。

並列実行の恩恵

AgentKit 2.0 では、依存関係がないタスク同士を並列で実行できます。UIの調整とAPIの改修が同時に進む体験は、最初は少し戸惑うほど速かったです。

体感として、同じ規模の作業が以前より 30〜40% 速く完了 するようになりました。

エラー時の隔離

ワーカーが1つ失敗しても、他のワーカーは止まりません。オーケストレーターが失敗を検知し、再試行や代替案を提示します。エラーが全体に波及しなくなったのは、精神的にもかなり楽になりました。

導入で戸惑ったポイントも正直に

良いことばかり書いても誠実ではないので、苦労した点も書いておきます。

ワーカー間の情報共有が難しい場面がある: UIワーカーが作ったコンポーネント名を、APIワーカーが知らないといけない場面があります。この「引き継ぎ情報」の設計は最初かなり悩みました。

解決策として、共有コンテキストとして「プロジェクト辞書」を用意しました。コンポーネント名、エンドポイント名、変数名の規約をまとめたドキュメントで、全ワーカーに最初に渡します。

オーケストレーターの指示が曖昧だと全部崩れる: シングルエージェント時代より、オーケストレーターへの最初の指示の質がより重要になりました。「なんとなく」で始めると、ワーカーたちがバラバラな方向に走り出します。タスクの前提と制約を最初に明確にする習慣がつきました。

今、一番活用している使い方

個人的に最も助かっているのは「コードレビューと改善のサイクル」です。

  1. UIワーカーが実装
  2. テストワーカーが自動でテスト作成・実行
  3. テスト結果をオーケストレーターが受け取り
  4. 問題があればUIワーカーへフィードバック
  5. ドキュメントワーカーが変更点を記録

このサイクルが自律的に回るようになってから、私がコードを直接触る時間が大幅に減りました。その分、アプリの方向性や体験設計に集中できるようになっています。

最後に

AgentKit 2.0 は「エージェントが賢くなった」というより、「エージェントの使い方が賢くなれる設計になった」という印象です。

ツールの進化に合わせて、自分の使い方も進化させる必要があります。最初は設定に時間がかかりましたが、一度軌道に乗ると手放せなくなりました。

まだシングルエージェントで作業している方は、ぜひマルチエージェント構成を試してみてください。最初の一歩は小さくて大丈夫です。「オーケストレーターと専門ワーカー1つ」という最小構成から始めると、変化を実感しやすいと思います。